SIEがBluepoint Gamesを買収。PS5版『デモンズソウル』やPS4版『ワンダと巨像』を担当した、リメイク・リマスターのスペシャリスト
ソニー・インタラクティブエンタテインメントは10月1日、デベロッパーのBluepoint Gamesを買収したと発表した。買収金額は未公表。同スタジオは、今後はPlayStation Studiosの一員となる。
Bluepoint Gamesは、アメリカ・テキサス州オースティンに拠点を置くデベロッパーだ。『メトロイドプライム』の開発に携わったふたりのエンジニアによって2006年に設立。オリジナル作品『Blast Factor』をPS3のローンチタイトルとして送り出しデビューし、その後は他社タイトルの移植・リマスターを中心にした活動を続けてきた。
これまでには、『METAL GEAR SOLID HD EDITION』や『Titanfall』といったマルチプラットフォーム作品に携わることもあったが、ほとんどの仕事がPlayStation向けのファーストパーティタイトルだった。『ゴッド・オブ・ウォー』や『ICO』『ワンダと巨像』のPS3向けリマスターや、PS4版『GRAVITY DAZE』『アンチャーテッド コレクション』などである。
数多くの実績を積むなかで、Bluepoint Gamesとして初めてフルリメイクに挑んだのがPS4版『ワンダと巨像』だった。オリジナル版のビジョンを忠実に再現しながらも、グラフィックを一新し、さらにちょっとした隠し要素も追加(関連記事)。非常に高い評価を獲得した。
同スタジオは、それまではあまり表に出ることはなかったが、リメイク・リマスターのスペシャリストとして広く認識されるようになり、またSIEからも『ワンダと巨像』での仕事ぶりが紹介された。そして、昨年発売されたPS5版『Demon’s Souls(デモンズソウル)』でもリメイクを担当。DualSenseや3DオーディオといったPS5ならではの機能も導入し、こちらも好評を得ている。
PlayStation Studiosを率いるHermen Hulst氏は今回の買収発表にて、Bluepoint Gamesはこうしたリメイクやリマスターにて業界最高レベルの仕事をこなし、自らの力で名声を築いてきたと評価。同スタジオの世界観構築やキャラクター作成に関する豊富な知見は、将来のPlayStation Studiosタイトルにとって大きなプラスになるだろうとした。
またBluepoint Gamesの代表Marco Thrush氏は、開発を楽しみながらも常に限界に挑戦し、最高品質の作品に仕上げるよう努めてきたとコメント。PlayStation Studiosもまた、同じような文化とビジョンをもっているとして、同グループへの加入に興奮している旨を述べている。また、PlayStationには素晴らしいゲームカタログが存在し、そうした名作を新たなプレイヤーに届けていくとした。
SIEによる買収後も、Bluepoint Gamesは得意とするリメイクやリマスターを引き続き手がけていくようだ。一方で、Thrush氏は海外メディアIGNに対し、同スタジオの次なるプロジェクトはオリジナル作品になると明かしている。どのような作品を開発しているのか、続報に注目が集まる。