『VALORANT』新マップ「フラクチャー」は“取り返し”がカギとなる。詳細情報公開で、奪い奪われの攻防戦が垣間見える
Riot Gamesは9月9日、『VALORANT』のEpisode 3 Act 2をスタートする。その中では、新マップとして「フラクチャー」が実装予定だ。今回はメディア向けの先行体験会ということで、一足先に新マップ・フラクチャーを体験してきた。その内容をお伝えする。
フラクチャーは『VALORANT』における7つ目のマップとなる。H字型のマップレイアウトの中央にディフェンス側のスポーン地点が存在し、アタック側はディフェンス側を挟む形でスポーンされることとなる。さらに、そのスポーン地点からの移動経路として距離の長いジップラインが配置されている。またマップ中央を境に、マップの両側がビジュアル的に対比しているのが大きな特徴だ。
フラクチャーでは過去に登場したマップと同様に、『VALORANT』の物語を伝えるさまざまな要素が数多く配置されている。同時に、『VALORANT』初の試みとしてインタラクト可能なストーリーオブジェクトが登場する。過去に公開されたシネマティックトレーラー「Duality(二重性)」で明かされた二つ目の地球の存在や、その二つの世界の間で起きている戦いなどに関する新たなヒントがマップ内に隠されているという。
マップの特徴として、H字型のレイアウトや中央を境にしたビジュアル的な対比、ジップラインやインタラクト可能なオブジェクトなどのほか、気になるオブジェクトが多数存在。オレンジ色になったレディアナイトクレートや、マップ内に点在するレディアナイトクレートと思しき黒い箱など、『VALORANT』のストーリーに関わりをもつであろう要素が確認できる。
また、フラクチャーは直近の新マップ「ブリーズ」とは打って変わって撃ち合いの距離が近く、サイトもずいぶん狭い印象を受けた。Aサイトは不毛の砂漠と朽ち果てた研究施設の廃墟としてデザインされており、全体的に褐色系の見た目をしている。視認性は悪くないが、サイト内で防衛をおこなうのはほぼ不可能といって良いほどに遮蔽物が少ない。かろうじて遮蔽物となりうるのは、柱が一本あるほかに、銃弾が貫通する薄い板状のオブジェクトと、レディアナイトクレートのみだ。
そのため、ディフェンス側はスポーン地点から直接アクセスすることができる「Aリンク」および「Aロープ」からサイトに入ろうとするアタック側と交戦するか、そこからサイトを取り返すという戦法を強いられることになりそうだ。ただしAロープはアタック側の通路と直接行き来が可能となっているので、注意が必要。逆にアタック側は、Aサイトは比較的取りに行きやすいサイトと考えて良いだろう。ただし、裏取りや設置後の取り返しには細心の注意を払う必要がある。フラクチャーでもサイファーやキルジョイといったセンチネルとスモーク持ちが必須ピックになりそうだ。
対してBサイトは、樹木が研究施設を覆い尽くした様相をしている。BサイトもAサイトと同様に比較的狭いサイトではあるが、こちらは遮蔽物がそれなりに存在し、Aサイトと比べてサイト内でも十分に戦えそうだ。また、「Bタワー」内が非常に強いポジションとなっており、Bサイトの攻略における重要地点となるだろう。
BタワーからはBサイト内のほぼすべてを覗くことが可能で、アタック側がBタワーを制圧できている場合はスパイク設置のカバーからディフェンス側のサイト内へのエントリー阻止、スパイク解除の阻止と、アタック側がやりたいことのほとんどすべてをおこなうことができる。
それを阻止するためにディフェンス側はBタワーの守りを厚くしてくることが予想できる。その分、アタック側は手薄になったAサイトをより簡単に攻めることができるというのが、フラクチャーの攻防の流れとなりそうだ。だからこそAサイトは取り返しがしやすいサイト構造になっているともいえる。
この点に関して、レベルデザイナーのJoe Lansford氏は「指輪物語」の「角笛城の合戦」にインスピレーションを受けてフラクチャーの開発を始めたと話している。「まずアタック側がサイトを奪い、それからディフェンス側が取り返しを狙う」という構図を想定して、マップ設計がおこなわれたのかもしれない。
このほかに、プリンシパルエンバイロメントアーティストであるBrandon Martynowicz氏が、マップ内に「戦略ベア」を10匹隠したとコメントを残している。筆者は5匹しか見つけられなかったが、フラクチャーにはこのようなちょっと変わった楽しみ方もある。マップ探索も兼ねてぜひ探してみてはいかがだろうか。
『VALORANT』新マップ・フラクチャーはパッチ3.05で配信となる。また、9月4日午前2時よりストリーマーによる新マップの先行実況もおこなわれている。ゲーム内映像はそちらで一足先に見ることが可能だ。