『スマブラSP』の「ホムヒカ」が脚光浴びる。背景にはプロシーンでの大活躍
『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』(以下、スマブラSP)のホムラ/ヒカリ(以下、ホムヒカ)が脚光を浴びているようだ。ホムヒカは今年3月に実装されたDLCファイター。『ゼノブレイド2』から参戦している。スピード型のヒカリと、パワー型のホムラが切り替え可能なユニークなファイターだ。実装から半年が経とうとする中、その性能が注目を集めているようだ。本日8月30日のTwitterでは「ホムヒカ」のキーワードがトレンド入りしており、話題にのぼっている。その背景には、Smash Ultimate Summit 3での選手たちの活躍があったようだ。
Smash Ultimate Summit 3はBeyond The Summit(BTS)が主催する、大規模オフライン大会である。会場はアメリカ・カリフォルニア。もともとは2020年6月に実施される予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大を受け延期され、2021年8月27日から30日にかけて実施された。賞金総額は15万9132ドル(約1700万円)で、日本からはザクレイ氏やKEN氏も参戦するということで、注目を集めていた。
そこで著しい活躍を見せたのが、ホムヒカであった。2位に入賞したMkLeo氏と3位に入賞したSparg0氏が同キャラを使用していたのだ。そして両氏のホムヒカはともにザクレイ氏を打ち負かしたということで、国内でも話題を集めている。人気日本人選手の注目カードで、ホムヒカが大活躍を見せたことで、脚光を浴びているのだ。
特に注目を集めているのは、Sparg0氏とザクレイ氏のセミファイナルでの戦いだ。Sparg0氏といえば若くして活躍を見せるメキシコ出身の選手。クラウド使いとして有名であるが、今大会ではメインとしてホムヒカを選択。一方のザクレイ氏はいつも通りジョーカーを選択。序盤はお互い肩慣らしといった次第であったが、ヒカリを主体としつつ、ときにホムラを使うSparg0氏が、ジョーカーを使うザクレイ氏を徐々に追い詰める。Sparg0氏が、 ワリオにキャラチェンジしたザクレイ氏をそのまま圧倒し、3-0のストレート勝ちを見せた。
ルーザーズラウンド4でザクレイ氏は、大規模大会上位常連のMkLeo氏と対戦。ジョーカーを使用し、まずはワンセットをとるも、やはりホムヒカに翻弄され敗北を喫することに。最終的にザクレイ氏はベスト6に残る健闘を見せた。優勝者はディディーコングを使いこなしたTweek氏であったが、ザクレイ氏を2度も打ち負かしたホムヒカが強烈な印象を残している。
ホムヒカは、プロシーンではこれまで目立った戦績を残してこなかった。なにせ、実装そのものが今年3月で、新型コロナウイルスの影響でオフラインイベント実施もままならなかったからだ。国内ではしゅーとん氏がメインに使用しその強さの片鱗が示されたものの、評価はまだまだ定まっていない。
ホムヒカの性能は比較的シンプル。切り替え型のファイターであるが、複雑なギミックはなく、『スマブラSP』のDLCファイターの中では覚えやすい能力をもつ。これまでは復帰性能やそのシンプルさが懸念されていたが、隙が少ないヒカリと抜群のバースト性能を誇るホムラの底力が、歴戦の使い手によって改めて証明されたかたち。またSparg0氏とMkLeo氏はここぞという場面で因果律予測も発動しており、解説陣を唸らせていた。
破竹の活躍を見せたものの、かといってホムヒカが絶対的な強キャラというわけではないだろう。前述したように優勝者のTweek氏はディディーコングをメインに使用しており、ベスト4のMarss氏はゼロスーツサムスをメインに使用。ベスト12に入ったRiddles氏は7月に実装されたカズヤを使いこなし注目を集めた。『スマブラSP』には85ほどのキャラがいることもあってか、各選手の使用キャラはバラけており、かなりバランスが良い。『スマブラSP』の競技シーンの面白さここにあり、といったところだろう。正解はひとつではない。
ホムヒカの強さが全世界に知れ渡ったわけであるが、一方でその対策も進みそうだ。また新ファイターであるカズヤも頭角を現しつつある。この先、国内では強キャラとして名高いミェンミェンのさらなる台頭もありうるだろう。年内には最後のDLCファイターの参戦が発表されるが、『スマブラSP』のeスポーツシーンの熱は、まだまだ収まる気配はない。