BitSummit 2014 作品ピックアップ by Calma 『Gesuido』&『Block Legend』
117のインディーゲーム開発チームが集まった BitSummit 2014。ゲームに触れられるだけではなく、Chipzel や松前真奈美氏のライブなどもあり、まさにインディーゲームの祭典でした。一般公開の2日間は、お子様から年配の方まで多くの来場者で賑わっていたのが印象的です。合計来場者数は5350人とのこと。
『Gesuido』小ネタが詰め込まれたローグライク
『Gesuido』はダンジョン探索型 RPG で、ランダムに生成されるダンジョンやターンベースの戦闘など、いわゆるローグライクです。RPG といえば古城の中でオークやゴブリンと戦うファンタジー物が定番ですが、『Gesuido』は下水道の中でチンピラや警備員と戦います。
プレイヤーが選択できるキャラクターは、徳川慶喜をイメージした「浪人」、人がよさそうな「野蛮人」、作者自身がモデルの「プログラマー」の3人。 「プログラマー」は虚弱体質で死にやすいなど、どのキャラクターを使うかによって難易度が変化します。なんとも頼りない表情の3人ですが、この力の抜け具 合が『Gesuido』の魅力です。
将来的にはキャラクターを増やしていきたいとのこと。できれば可愛い女の子に登場してもらいたいのですが……。
開発者の三原亮介氏が高校生だったころ、Macintosh の HyperCard で作ったゲームを仲間と見せ合っていたそうです。最終的には「一発ギャグゲーム」の見せ合いになり、それが最高に楽しかったとのこと。そんなわけで、どこ かで見たことがあるバールを持った研究員が登場したり、便器が階段の代わりだったり、『Gesuido』には笑えるネタが詰め込まれています。なかには説 明を聞かないとわからないような小ネタもありましたが、それらを探りながら遊ぶことが楽しかったです。
『変愚蛮怒』 や『NetHack』にインスパイアされた『Gesuido』は、10代のころの思い出を混ぜながら2014年内リリースを目標に開発が進められていま す。『はぐれ刑事純情派』や『火曜サスペンス劇場』などのように、拳銃や刃物よりも灰皿やテーブルの角で人が死ぬことが多いといった要素を取り入れていき たいなど、アイデアが尽きないようです。
『Block Legend』遊びだしたら止まらない
『Block Legend』はスマートフォン向けパズル&RPG です。iOS / Android 版が BitSummit 2014 の初日にリリースされました。開発は、アメリカ人プログラマー Alvin Phu 氏と日本人アーティストの2人で構成される Dot Warrior。『さめがめ』や『Puzzle Quest』にインスパイアされたとのこと。パズルと RPG の組み合わせはソーシャルゲームをイメージしてしまうかもしれませんが、アプリ内課金は一切ありません。
遊び方は『さめがめ』に似ており、同じブロックが2つ以上隣接していればタップで消すことができます。消したブロックの絵柄によって攻撃や回復など の効果が発揮されるため、むやみに消せばいいというわけではありません。何を消すべきかを判断する楽しさは『Puzzle Quest』に近いです。
面白いのは、ターンベースの戦闘とリアルタイムの移動がミックスされていることです。戦闘中は時間を気にせずゆっくり考えることができ、移動中は次 の戦闘に向けた準備を素早く行わなければなりません。ただ戦闘を繰り返すといった単調なゲームではないため、長時間遊んでも飽きにくいです。
たくさんのクエストが用意されており、達成することで Starblock が手に入ります。これを使ってキャラクターやダンジョンをアンロックすることができ、遊べば遊ぶほど楽しみが増えていくわけです。キャラクターは特別なス キルを持っており、どれを選ぶかによってプレイスタイルが変わるのも魅力の1つです。
リリース当日に発見された多くのバグの修正に追われ、ノートパソコンとにらみ合っていたAlvin Phu 氏。それでもブースに人が来れば笑顔で対応されていました。