コーエーテクモ、第1四半期決算にて過去最高業績を達成。『戦国無双』『ウイニングポスト』新作などが好調
コーエーテクモホールディングスは7月26日、同社のIRサイト内にて2022年3月期第1四半期(2021年4月~6月)の連携業績を公開した。公開情報によると、第1四半期の累計売上高は前年同期比81%増の205億円、営業利益が前年同期比121%増の97億円、経常利益が前年同期比105%増の184億円、そして純利益が前年同期比2倍の133億円となっている。結果、第1四半期として2期連続で過去最高業績を達成した。
決算説明資料では、パッケージゲームの売上が好調であることが明かされている。具体的には、4月に発売した競馬シミュレーションゲームのシリーズ最新作『Winning Post 9 2021』が8万本の売上を記録。本作については、PS4/Nintendo Switch版の発売初週パッケージ売上が約2.3万本と、前作『Winning Post 9 2020』の約1.3万本を大きく上回った。またSteam版についても、発売直後はストア売上上位にランクイン。今回の8万本という販売数から、その後も好調にセールスを伸ばしていたことがうかがえる。また6月には、日本の戦国時代を舞台とするタクティカルアクションシリーズ最新作『戦国無双5』を国内・アジア向けに展開。28万本の売上を記録している。なお『戦国無双5』については、7月27日にSteam版の販売を開始。同日北米・欧州向けにも発売されるため、さらなる売上が見込まれる。
さらに5月発売の『大航海時代Ⅳ with パワーアップキット HD Version』が7万本、6月発売の『NINJA GAIDEN: マスターコレクション』が24万本と、リマスター作品の売上も好調。加えて『仁王2 Complete Edition』のリピート販売も業績向上に繋がったとしている。総じてパッケージゲームの販売本数は前年同期比45%増の245万本、売上高は前年同期比86%増の107億円を記録した。
ちなみに決算説明資料内には、国内外の地域別販売本数やダウンロード比率といった興味深いデータも公開されている。まず地域別販売本数の内訳は、国内売上が94万本、海外(北米・欧州・アジア)売上が151万本。つまりは国内・海外で4:6の販売比率となっている。またダウンロード販売本数については、前年同期比80.7%増の150万本を記録。パッケージゲーム販売本数の61.2%を占めており、ダウンロード販売の好調ぶりがうかがえる。
その他分野においては、スマートフォン向けの歴史シミュレーションゲーム『三國志 覇道』や『三國志 真戦』(IP許諾)を主力とするオンライン・モバイル分野の売上が堅調に推移。売上高は前年同期比78%増の87億円となった。
なお第2四半期累計の業績予想については、第1四半期におけるIP許諾、ならびに営業外収益の好調により上方修正。パッケージ分野においては、新作ではなくリピート販売中心に利益構成しているとのことだ。
今後のパッケージ分野の展開としては、2021年内にシリーズ最新作『信長の野望・新生』を展開予定。同じく年内には『真・三國無双8 Empires』『BLUE REFLECTION TIE/帝』などの新作タイトルや、『零 ~濡鴉ノ巫女~』のリマスター版が発売予定。少し先の2022年には、スクウェア・エニックスとTeam Ninjaが共同開発する、『ファイナルファンタジー』シリーズの世界観をベースとしたアクションRPG『STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN』の発売も予定されている。今後も分野を問わず、同社のさらなる躍進に期待を寄せたいところだ。