『ポケモンGO』アフガニスタンの空軍基地から米軍が撤退したことで、“ポケモンが置き去り”に。基地内にはジムも
昨年2月、アメリカ政府と武装勢力タリバンが和平合意を締結。これを受けてアメリカ軍は、20年間駐留してきたアフガニスタンから今年9月までに完全撤退するとし、その作業を進めている。そして7月2日には、アフガニスタンの首都カブール近郊にあるバグラム空軍基地から、すべての部隊が撤退したことが発表された。ただその基地には、“ポケモンが置き去り”にされてしまったようだ。海外メディアStars and Stripesが報じている。
バグラム空軍基地は、2001年のアメリカ同時多発テロ事件をきっかけとした、アメリカ軍のアフガニスタンでの軍事作戦の拠点として使用されてきた。そして同基地には、位置情報ゲームアプリ『Pokémon GO(ポケモンGO)』の、米軍関係者などによるコミュニティが存在していたという。
海外メディアStars and Stripesのインタビューに答えた米軍特殊技能兵Corey Olsen氏によると、バグラム空軍基地にて『ポケモンGO』は人気だったそうで、隊員同士のコミュニケーションのきっかけにもなっていたとのこと。見知らぬ戦地にて、社会性を維持したり休息をとるために、大いに役立っていたという。また同基地内には、ポケストップやジムも存在していたそうだ。
ポケストップなどの位置を確認できる非公式マップPogoMapにてバグラム空軍基地を見てみると、確かに複数のポケストップが存在することが分かる。『ポケモンGO』プレイヤーの米軍関係者が、開発元Nianticに申請して設置したのかもしれない。
またStars and Stripesは、『ポケモンGO』にてプレイヤーのGPS情報を偽装できるハックツールを用い、バグラム空軍基地内のジムを訪問。そこには、たいていの地域であればすぐに倒されてしまうであろうCPややる気レベルの弱いポケモンが、ジム防衛のために配置されていたそうだ。ハスボーやココドラなどが、2週間程度防衛し続けている状況だったとのこと。おそらく、米軍関係者のあいだでもジムバトルがおこなわれていたが、今回の撤退によりバトルを挑む人がいなくなり、ポケモンだけが取り残されたようだ。
バグラム空軍基地は、アメリカ軍の撤退完了後、アフガニスタン政府に引き渡された。もし、今後同基地を訪れたアフガニスタン軍関係者や現地住民のなかに『ポケモンGO』のプレイヤーがいたなら、いずれそれらのジムの存在に気づき、米軍が置き去りにしたポケモンに挑むこととなるかもしれない。