『Kerbal Space Program』10周年記念の最終アップデート配信。マニューバツールで天体間の軌道遷移が容易に

 

Squadは6月25日、『Kerbal Space Program』へ大型アップデート1.12「On Final Approach」を配信した。ゲームの発売10周年を記念したアップデートであり、本作最後の大型アップデートでもある。またパブリッシャーのTake-Two Interactiveは『Kerbal Space Program 2』をPlayStation 5/Xbox X|Sでも発売すると発表した。

メキシコシティのインディースタジオSquadが2011年6月24日に『Kerbal Space Program』のバージョン0.73をリリースしてから10年が経過した。本作は、本格的な軌道力学や航空力学がシミュレートされた世界で、緑の異星人「カーバル」たちのためにロケットを建造するゲームだ。これまで500万本以上を販売し、多くのファンに愛される人気作である。6月25日に、12回目にして最後の大型アップデート「On Final Approach」が配信された。10周年を記念するコミュニティビデオも公開中だ。
 

 
「On Final Approach」ではさまざまな新要素が登場し、ゲームのQoLが改善されている。まず新アプリ「マニューバツール」で天体間マニューバ・ノードを作成可能になった。マニューバツールは今回のアップデートの主要なコンテンツ。このツールを使用することで、ほかの天体へロケットの軌道を遷移させることが容易になるはずだ。飛行計画を素早く作成したり、今後のマニューバの計画を確認したりすることが可能。自分がどこへ向かっているのかといった情報や、目的地へ到達するために必要なデルタVも確認できる。Modなしの状態では勘に頼るところが大きかったマニューバ・ノードの作成も、精度が向上するはずだ。ただしマニューバ・ツールを使用するには、レベル3のトラッキング・ステーションが必要になる。

クラフトとセーブ/ロードの刷新もおこなわれている。ロケット組立棟や発射場でロケットをロードする画面へ、検索窓やフォルダが追加。これによってセーブしたロケットやセーブデータが大量にある場合、分類や整理が簡単になる。さらにクラフトファイルへの、クロスセーブアクセスが可能になった。ゲームのセーブデータを横断して、ロケットをロードできるようだ。
 

 

 
アラームクロックも主要コンテンツのひとつ。このツールでマニューバー中にアラームを設定できる。手動でアラーム時間を設定することもできるほか、軌道上の特定の位置でアラームを鳴らすこともできるようだ。複数回ロケットを噴射する必要がある長い飛行計画では、とくに有用なはず。アラーム音もシークエンスごとに変更可能だ。


また、新パーツとして太陽電池パネル4種が登場した。目新しいのは円形に展開する太陽電池2種類で、見た目のインパクトも十分だ。また花火発射装置もユーティリティのタブ内に追加されている。打ち上げて『Kerbal Space Program』の10周年を祝おう。民間航空業界にインスパイアされた「スリムスーツ」も宇宙服オプションとして登場。太陽系内で発見できるイースターエッグも追加されているようだ。ほかにもドッキングポートの刷新、必要に応じて切り離し可能な支柱、ホイールと着陸脚への修正と改善など、アップデートには数多くの変更が含まれている。パッチノートはこちらから確認していただきたい。
 

 
Squadはパッチノートで、コミュニティが本作の旅に参加してくれたことへ感謝を述べている。アップデート1.12「On Final Approach」は、スタジオをサポートし夢を実現してくれたコミュニティへの感謝の手紙でもあるという。ゲームはその旅を終えるが、Squadは解散するわけではない。必要があればマイナーアップデートをおこない、ソーシャルチームはこれからもイベントを開催する予定だ。またIntercept Gamesと共に、続編である『Kerbal Space Program 2』の開発に力を注いでいくとしている。

また、『Kerbal Space Program 2』がPlayStation 5/Xbox X|Sで発売されることも発表された。現時点で発表されている『Kerbal Space Program 2』の対応プラットフォームは、PC/PlayStation 5/PlayStation 4/Xbox X|S/Xbox Oneということになる。発売時期は2022年予定。チュートリアルやUIを改善し、より遊びやすく進化する。コロニーを建設したり恒星間航行技術を開発したりすることで、太陽系を離れ遠い宇宙の探索が可能だ。