『リトルビッグプラネット』シリーズの海外サーバーが停止。コミュニティ機能を通じた嫌がらせ行為が相次いで発生しSIEが対応へ
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の『リトルビッグプラネット』シリーズの公式Twitterアカウントは5月22日、同シリーズのゲームサーバーを一時的に停止すると発表した。何者かによるサーバーへの攻撃を受けた措置だという。
『リトルビッグプラネット』シリーズは、SIEの人気アクションゲームだ。収録ステージを楽しめるほか、さまざまなツールを使ってオリジナルのステージを作成し、ほかのプレイヤーと共有できるなど、充実したコミュニティ機能が特徴のひとつである。最新作は2014年発売のPS4/PS3向け『リトルビッグプラネット3』となるが、今も多くのファンがプレイしているようだ。日本では、2016年8月にシリーズのオンラインサービスが終了してしまったものの、実は海外ではサービスが継続されている。
その海外版では、今年に入ってからサーバー関連の問題が相次いでいる。SIEは3月、技術的な問題が発生したとし、調査するあいだサーバーをオフラインにすると発表。当時コミュニティ内では、同シリーズのサーバーに対するDDoS攻撃がおこなわれているとの報告が寄せられていた(Eurogamer)。クリエイトしたステージを短時間に大量にアップロードする手法でサーバーに負荷をかけていたとされ、オンライン関連機能の利用に大きな不都合をもたらした。結果的に、サーバーが復旧するまでには1か月近くを要している。
対策ののち復旧した『リトルビッグプラネット』シリーズのゲームサーバーだったが、5月になってまた新たな攻撃が発生。『リトルビッグプラネット3』にて、差別的な内容のポップアップメッセージをプレイヤーの画面上に表示させたり、プロフィールを閲覧するとゲームがクラッシュするようにスクリプトを仕込んだりなど、個別のプレイヤーに直接働きかけるようなかたちでの嫌がらせ行為が報告されている。ゲームに存在する脆弱性を突き、コミュニティ機能を通じて実行しているようだ。
SIEは5月22日、こうした新たな問題が発生していることは認識しており、調査をおこなっていると表明。そしてその4時間後に、サーバーを一時的に停止すると発表した。問題の重大性から、ほかに手段はなかったとのこと。また、大事なコミュニティが標的にされたこともあり、今回の攻撃は重く受け止めているとした。
サーバーが停止されたため、海外版『リトルビッグプラネット3』などにおいては、クリエイトしたステージのアップロードや、ほかのプレイヤーが作成したステージのプレイ、コミュニティ機能などのオンライン要素が現在利用不可となっている。なお、シリーズの関連作である『リビッツ! ビッグ・アドベンチャー』には影響はない。
結果として、今回発生した攻撃は回避できている模様である。ただ、『リトルビッグプラネット3』などが長年プレイされ続けている背景には、コミュニティが繋がれるオンライン機能の存在は大きかっただろう。早急な復旧が望まれるが、現時点ではSIEからは目処は示されていない。