『Apex Legends』“音バグ”に関する具体的な取り組みについて、開発者が回答。足音消失や落下音バグなどの改善状況を明かす

海外掲示板Redditにて『Apex Legends』内の“音バグ”に関する近況が開発者により明かされた。サウンド関連の不具合について、『Apex Legends』が取り組んでいる内容が語られている。

今月5月4日に新シーズン「英雄の軌跡」が開幕し、大きな賑わいをみせる『Apex Legends』。本作のコミュニティ内では日々さまざまな話題がもち上がっており、その中では開発者が直々にプレイヤーの疑問や要望に応えるAMA(Ask Me Anything)も盛んにおこなわれている。そんな中、海外掲示板Redditにてゲーム内の“音バグ”に関する近況が開発者により明かされた。サウンド関連の不具合について、取り組んでいる内容が語られている。 

現在『Apex Legends』のゲーム内では、サウンド関連の不具合が発生している。いわゆる音バグと呼ばれるこの現象はSNSやコミュニティ内にて少なくないユーザーから報告されており、発生する状況や不具合の対象となる音にはいくつかの種類が存在する。そうしたオーディオの問題に対して、現在開発元はどのような取り組みをおこなっているのか。そんな質問をRedditユーザーのひとりが実際に遭遇した音バグを列挙しつつ、AMAにて開発者に投げかけ。それに答えるかたちで今回、開発者によりサウンド関連の取り組みが明かされた。 
 

 
質問を投げかけたRedditユーザーCr4zy氏は、アリーナモード/バトルロイヤルモードにて実際に遭遇した音バグを複数挙げており、その際のプレイ動画もYouTubeに投稿。動画内ではサウンドの不具合が発生したと思わしき9つのシーンがまとめられている。それぞれ不具合の症状や発生している状況は異なり、近くで走っているレジェンドの足音が消失する、レジェンドの落下音が聞こえない、ドアの開閉音が不自然に小さいなど。また、フラグメント周辺の建設現場にいるにもかかわらず、マップ南端の発射場のブラストウォール起動音が聞こえる、敵をキルした際に謎の落下音が再生されるなどの変わった現象も報告されている。
  

 
こうしたオーディオの不具合は過去のシーズンにおいても発生しており、特に敵の足音が消失する不具合についてはたびたびコミュニティ内で問題視されていた。そうした中、開発元はシーズン7にて足音が聞こえない問題を修正したと告知。その際のパッチノートには今後もオーディオ関連の不具合を修正していくとも記載されていた。一方、それから2シーズン経過した現在においてもサウンド関連の不具合は発生しており、足音の消失バグも残っている状況にある。そうした不具合に対し、現在開発元はどのような改善方針を立てているのか。 

Redditユーザーの質問に対し、今回のAMAではディレクターのChad Grenier氏が直々にコメントを返信。サウンド関連の不具合は開発元としても大きく問題視していることを前提に置き、同氏は音バグの修正の難しさを語っている。というのも、音バグについては極めて限定的な状況でのみ発生する問題のようで、原因特定のために現象を再現することが難しく、迅速に修正できる類のバグではないという。また音バグが発生する原因はひとつではなく、複数ある可能性が高いとも述べており、オーディオ関連の不具合の修正には現在も手を焼いているようだ。 
 

 
一方、音バグの修正について、過去数シーズンのあいだにいくつかの進展もあったようだ。開発中の進展について、具体的な内容がGrenier氏により報告されている。まず、使用するサウンドチャネルの数を大幅に増加。これまで一部の音が特定の条件下でカットされていた可能性を考慮し、一度に出力できる音の数を増やしたようだ。次に、大量のオーディオファイルを再生した際にかかるPCやコンソール機への負荷を少なくするよう、サウンドレイヤーの数を減らしたという。音の要素を可能な限り統一化し、複数のオーディオが同時再生された際の不具合の頻度を軽減したようだ。 

また、ゲーム内で発生する音に優先順位を付けたことも報告されている。武器やレジェンドから発せられる音と環境音の中で優先して再生すべき項目を設けることで、たとえば鳥のさえずりのような戦闘において重要性の低い音よりも、足音や武器の音が優先されるよう見直しを図ったという。そのほか、一般的なサウンドエフェクトの多くをストリーミング方式ではなく、事前にメモリに読み込ませたうえで再生できるよう変更したようだ。サウンド再生時のロード時間を高速化させることで、ハードウェアのボトルネックによって音が再生されないケースに対処したとのこと。 
 

 
そして最後に、もっとも大きな変更点として、すべての開発者と一部のコンテンツ制作者がプレイの最中にサウンド関連の不具合に“タグ付け”をおこなえるツールを開発したことを挙げている。このツールを用いることで、デバッグの際に対応すべきオーディオバグのデータがエンジニアリングチームに送られる。これにより、オーディオバグが発生する際の条件や状況をわざわざ探さなくてもよくなったとのこと。該当のツールを用いることで、すでにオーディオバグの修正に有用な多くのデータを収集しているという。 

FPSゲームにおいて“音”はかなり重要な要素のひとつ。特に足音やキャラクターの動作音の把握はたびたび勝敗を分かつ要因となる。そこに不具合が発生してしまうと、プレイヤーの戦闘体験に大きな障害を及ぼすだろう。一刻も早い修正が望まれる一方、今回Grenier氏により具体的な改善状況が報告されたことは嬉しい報せでもある。現在も『Apex Legends』ではいくつかのオーディオバグが発生しているものの、開発元は今後もそれらの修正に引き続き対応していくという。今後のアップデートでは、バグ修正の項目にも注目していきたい。 

Nobuya Sato
Nobuya Sato

最近Apexにハマり始めた人。幾度となく倒されながら高ランク帯を目指す。でも疲れる時もあるよね。その時はソロ専用ゲームをちょっとプレイして寝ます。

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