任天堂『マリオゴルフ スーパーラッシュ』で、“デイジーが褐色肌になった”との説が浮上。褐色化を願う人々

任天堂は5月17日、『マリオゴルフ スーパーラッシュ』の新映像を公開した。新情報が公開される中、とあるキャラクターの肌色が気になっているユーザーもいるようだ。 デイジーの肌の色である。

任天堂は5月17日、『マリオゴルフ スーパーラッシュ』の新映像を公開した。さまざまなモードや新キャラクターが紹介されており、シリーズとしての進化を感じさせる内容となっている。そうした新情報が公開される中、とあるキャラクターの肌色が気になっているユーザーもいるようだ。 デイジーの肌の色である。

本作には、16種類のプレイアブルキャラが登場。ブルやボムキングといったキャラもサプライズ枠で参加するほか、近年の『スーパーマリオ』シリーズ作品ではおなじみとなったデイジーが登場。そんな中、今作のデイジーの肌の色が、褐色ではないかと議論が沸き立っているのだ。たしかに、新たに公開された映像ではデイジーの肌はピーチやロゼッタに比べるとやや赤暗くなっている。これが、任天堂が意図したものではないかと言われているのだ。


なぜデイジーの肌色が特段気になるのか。それは、キャラクターの歴史が関係ありそうだ。デイジーといえば、1989年ゲームボーイにて発売された『スーパーマリオランド』にて登場。サラサ・ランドの姫としてタタンガに連れ去られ、マリオに救われることになる。しかし、ここから再登場にはかなり時間を要しており、3Dモデルを伴って登場するのは2000年の『マリオテニス64』が初。そしてこの時のデイジーは、イメージイラストが褐色だったのだ。実際のゲーム内モデルのデイジーは色白だったのだが、これをきっかけに、デイジーは褐色キャラとして定着していく。

キャメロットの『マリオテニス64』ページより
『マリオテニス エース』のデイジー。肌が白い。


具体的には、その後に発売された『マリオパーティー3』や『大乱闘スマッシュブラザーズDX』では褐色モデルで登場していた(Pixiv)。しかし『マリオパーティー4』から肌色が変更されていく。『マリオパーティー4』から『マリオテニス エース』までは、よりピーチに近い白色の肌として登場していた。しかしまた近年になり風向きが変わったという。『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』や『マリオカートツアー』ではやや肌が暗くなってきたとされている。そして『マリオゴルフ スーパーラッシュ』でも肌が暗くなったことで、任天堂は最近になり意図的にデイジーの肌を暗くしているのではないかと、ResetEraで議論になっているわけだ。

では、本当にデイジーの肌は暗くなっているのだろうか。結論からいえば、暗くなっている。だが、暗くなったのはデイジーだけではない。本作ではマリオとルイージもやや暗めの肌になっている。ゴルフをして、日焼けしているような表現である。デイジーのみが特別肌黒くなったわけではない。とはいえ、ピーチとポリーンは白い肌をしており、女性陣のなかではデイジーのみが褐色風味になっているのも確かである。日焼けを気にしない、活発なキャラとして描写されている可能性もありそうだ。


では、なぜデイジーの褐色化だけが注目を集めたのだろうか。実は、デイジーの初期3Dモデルを支持するファンは一部に存在する。初期3Dとはつまり、『マリオパーティー3』以前のデイジーである。個人的な嗜好か、多様性への支持か。人によってさまざまな意図があるだろうが、SNSではたしかに肌が暗めのデイジーを好む人々が活動しており、ファンアートなどを投稿している。褐色化を願っている人々は確実にいるのだ。ResetEraで本トピックが議論になっている背景には、そうした旧モデル・デイジーのファンの存在があるだろう。

https://twitter.com/ThatFluffyMica/status/1300246487822147587


昨今では、多くのゲーム会社が進歩的な試みとして、多様なルーツをもったキャラをゲーム内で登場させている。『スーパーマリオ』シリーズでも、そのような取り組みがなされるのか、注目を集めたケースが今回の一件ともいえそうだ。デイジーの肌の褐色化は、多様性についての取り組みの一環ではないかと、注目を集めたのかもしれない。ただし、褐色化についてはっきりとしたメッセージが出されていないのであれば、あくまで“ユーザーが勝手に読み取っている”以上のものにはならない。現時点で、任天堂が意図的にデイジーを褐色化していると断言はできないだろう。製品版でデイジーの肌がどう表現されているのか、関心が集まりそうだ。

マリオゴルフ スーパーラッシュ』は、来月6月25日Nintendo Switch向けに発売予定だ。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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