ドット絵ホラーアドベンチャー『The Telos Monument』発表。ディストピアに残された希望の館は、異形の存在がまつろう廃墟
個人開発者のJesse Makkonen氏は5月11日、横スクロールホラーゲーム『The Telos Monument』を発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)。リリース時期は2023年を予定している。
『The Telos Monument』はディストピア世界の中心に立つ奇妙な記念館が舞台だ。電力や食料、医療品などがほとんど手に入らない過酷な環境。人々は、腐敗した社会の各所から救いを求めてこの記念館を訪れていた。プレイヤーは、不吉で謎に満ちた記念館を探索し、思わぬ出来事やキャラクターたちと出会うことになる。プレイヤーは「C.R.E.C」と呼ばれる電子機器により、近くのものにインタラクトすることが可能。またSteamストアページには「『The Telos Monument』は、ダークでフィクションと現実を区別できない場所」との意味深な記述も載せられている。
緻密なドット絵で描かれた記念館は、人々が希望を求めて訪ねる場所としては似つかわしくない薄暗さだ。すすや汚れであちこちが覆われており、ところどころ壁が崩れ落ちた廃墟の様相。記念館では、さまざまな人々との出会いも待ち受けているようだ。映像の中では、女性とともに薬局の廃墟を探索しようとする場面が見られる。しかし出会うのは友好的な人物ばかりとは限らないようで、こちらに向かって敵意を剥き出しにする男性との緊張感あるシーンも確認できる。何かに驚愕した様子の科学者らしき人物の姿も見え、多様な人間が記念館に集っていることがうかがえる。
映像では配電盤のようなギミックや、主人公が目の前を通ると数字が変わる標識なども映し出される。何らかのパズル要素を解きながら探索する場面が存在するのかもしれない。また気になるのは、時折映像に出現する異形の存在だ。通常の人間の2倍ほどある大きさの人影が、ボロ布をたなびかせながら滑るように回廊を過ぎっている。ときには室内に隠れ、ドアスコープから外の異形の姿をうかがう場面もあるようだ。また、ほかの個体として、クモ型の脚とかぎ爪をもったクリーチャーも確認できる。記念館には人間の死体が転がっている場面も確認でき、人外の存在と対峙する状況も待ち受けているのだろう。
開発者のJesse Makkonen氏は、2015年に発売された『ドットホラーストーリー (原題:DISTRAINT)』を手がけたデベロッパーだ。同作は、ある老婦人をだまして成功をつかんだ男の顛末を辿るアドベンチャーゲームだ。可愛らしい2頭身のキャラクターを主役としつつも、登場人物の不安定な精神状態を描く心理ホラー。Steamでは4900件以上のユーザーレビューから「非常に好評」とのステータスを得ており、コンパクトながらも濃い人間ドラマを楽しめる作品として評価されている。『The Telos Monument』では緻密なドット絵がさらに洗練され、頭身の高いキャラクターや写実的な顔グラフィックを採用。よりリアルな世界でのサバイバルホラーを楽しむことができそうだ。
『The Telos Monument』は2023年、SteamにてPC向けにリリースを予定している。