『ArcheAge』新イベント「呪!冒険家の脱出劇」先行プレイレポ。なんでもできる老舗MMORPGで次に遊べるのは、『Among Us』ライクな人狼風の推理ゲーム
ゲームオンがサービス中のMMORPG『ArcheAge』。東・西・海賊の勢力に分かれた6つの種族の一員となり、古き伝説の真相へ迫る冒険に挑むファンタジー作品だ。自由な遊び方、自由な生き方ができることがウリで、強い装備を求めてボスに挑むプレイヤーもいれば、敵対勢力との争いに身を投じるプレイヤーもいる。戦闘ではなく生活に重きを置いたスタイルのプレイヤーも多く、畑を耕すスローライフを楽しんだり、交流を中心に楽しんだりするプレイヤーも少なくない。
そんなさまざまな遊びができる本作に、期間限定で「呪!冒険家の脱出劇」というイベントが実装される。不穏なタイトルになっているが、このイベントは参加者が冒険者と守護者(殺人者)に分かれ、お互いが疑心暗鬼になりながら推理や謀略を繰り広げるイベントだ。ざっくり言うと『Among Us』や『Project Winter』など、ゲーマーにもお馴染みのデジタル人狼ライクなゲームプレイが『ArcheAge』の中で楽しめるというものだ。今回はイベント開催に先立ち、ゲームメディアを集めた先行プレイ会がおこなわれた。筆者は人狼ゲーム初心者だが、初心者なりに試行錯誤でき楽しい体験になった。その内容をご紹介しよう。
本イベントは8人のランダムマッチングで進行する。特定のプレイヤーとマッチングすることはできないので、友人とワイワイ楽しむというよりは、見知らぬプレイヤーとガチで疑心暗鬼の推理戦を楽しむかたちになるだろう。
まずプレイヤーたちは6人の冒険者と2人の守護者(殺人者)に分かれ、専用のマップにテレポートする。マップには複数の「ロウソク」が設置されている。このロウソクに火を付けていくことでポイントが加算される。このポイントをできるだけ多く稼ぐのが冒険者の目的だ。守護者はロウソクに火をつけてポイントを稼ぐ点は共通だが、冒険者を暗殺することもできる。冒険者の人数を2人以下に減らして守護者勢力としての勝利を目指しつつ、ポイントを稼ぐという2つの目的がある。
そして3分ごとに1回、協議タイムを設けるためのスイッチが使用可能になる。誰かがこのスイッチを取ると、残っている参加者全員が1か所に集められる。この時間にチャットで疑わしい人物について意見交換を行い、最後に投票をおこなう。もっとも疑わしい人物として投票されたプレイヤーはこのゲームから退場させられるのだ。
退場させられるまでに点灯させることができたロウソクの数と、冒険者側、守護者側のどちらが勝利したかでポイントが変わり、獲得したポイントで順位が決まる。詳細な計算方法は置いておくとして、自分の陣営が勝利するように運びつつも、ある程度はアグレッシブに動いていかないとおいしい報酬が得られないというルールだ。
上位に入るとイベントコインが入手でき、イベントコインで家具などのアイテムが交換できる。時間内であれば何回でもプレイできるが、報酬がもらえるのは1日2回までだ。本モードのカギになるのは、ロウソクに関する特殊なルール。それは、自陣営が点けたロウソクにはそれ以上インタラクトできないのに対し、敵陣営が点けたロウソクは上書きするようなかたちで火が点られるというもの。これを利用すれば、周囲に敵がいるかどうかを判別することができるのだ。たとえば、自分がある場所のロウソクに火を点けたとする。そして周囲をチェックし、ひととおりロウソクに火を点け終え、改めて最初のロウソクをチェックしたとしよう。
もしこのとき、最初に点けたはずのロウソクに再度点火が可能になっていた場合、それは敵陣営がそのロウソクに触れたことを表している。つまり近くにいるほかのプレイヤーが敵陣営の可能性があるのだ。
この判別法を突き詰めると、誰かの後ろについていき、そのプレイヤーが触れていそうなロウソクを片っ端からチェックしていくという手段もある。ロウソクが点けられない場合は、そのプレイヤーが味方だとわかるわけだ。もっとも、相手が守護者だった場合は殺される可能性もあるので、むやみやたらに近づくのは危険も伴う。
もし運悪く守護者に遭遇してしまった場合、本モードには救済措置もある。冒険者は殺人スキルを10秒間無効化するスキルが使えるのだ。たとえば「このプレイヤーは確実に守護者である」という目星がついている場合には徹底的に相手を避けつつ、もし接近されたらスキルを使って相手のスキル発動を封じて時間を稼ぐといった方法がとれる。
冒険者として守護者から逃げる場合の戦略は、上記のものが正攻法だろう。このほかにも、さまざまなシチュエーションでの戦い方を試すことができた。たとえば筆者が守護者側になったときに試したのが「ロウソクを点灯させることよりも、自分の勢力を勝利させることを全力で狙う」ことだ。具体的にはキルを中心に狙い、どのロウソクにも触れないというもの。冒険者の数を減らしつつ疑われないように心がけ、投票になったときは、「潔白とはいえないが黒ともいいきれない“グレー”なプレイヤー」を装って投票から逃れるという算段だ。
結果からいうと半分は上手くいって、半分は失敗した。成功したのはキルを取ったことだ。ロウソクを完全に捨てたのでオブジェクトの陰で待ち続け、何も知らずに通りかかった冒険者を殺害することができた。失敗したのはグレーを装う点だ。他のプレイヤーから見てあまりにも存在感が薄すぎたのか、貢献していないように見えたのか、それともスケープゴートにされたのかはわからないが、協議タイムで真っ先に投票を集めて除外されてしまった。いずれにせよ、あまりにもロウソクに触れていなかったのが失敗の原因だろう。そういう意味ではほどよく活動するのが生存の秘訣だろうか。
もうひとつ冒険者側の時に試したのが、とにかくひとりをマークし続けるという戦略だ。仮にマークしているプレイヤーが白だった場合は、その人の身の潔癖を証明することで自分の身分も証明してもらえることが期待できる。逆にマークした相手が黒だった場合は、「ロウソクに再点火できた」などの証拠も含めてチャットで発言することで、対象のプレイヤーを退場させ、勢力の勝利を狙うという作戦だ。この作戦の結果は「悪くはないが満点ではない」という印象だ。というのも、ひとりをマークし続ける作戦の性質上、自分とマークしているプレイヤー以外の6人の情報がほぼ入ってこない。そのため投票の時に圧倒的に情報不足になるのだ。身の安全は図れるものの、イマイチ決定打に欠ける戦い方という印象だ。このように、筆者は「必勝法」を発見することはできなかったが、立場によってさまざまな作戦を試行錯誤する楽しみを味わうことができた。
あくまでも『ArcheAge』というMMORPGの1つのイベントという位置づけだが、イベントだけにしておくにはもったいない作り込みを感じるモードだった。イベント期間は4月14日メンテナンス後から5月12日メンテナンス前までで、8時~23時に開催される。報酬はもちろんだがゲームプレイとしても非常に興味深いものになっているので、ぜひプレイしてみてほしい。