Amazonがカナダ・モントリオールにゲーム開発スタジオを新設。『レインボーシックス シージ』の元スタッフが新規IPオンラインゲームを手がける
Amazonのゲーム開発部門Amazon Gamesは3月24日、カナダ・モントリオールに新たな開発スタジオを設立したと発表した。Amazon Gamesにとってはアメリカのシアトル・オレンジカウンティ・サンディエゴに続く4つ目のスタジオとなり、モントリオールスタジオではオリジナルIPのAAAタイトルを開発するという。
モントリオールは、行政が税制優遇策などを打ち出し誘致に熱心であることから、UbisoftやEA、スクウェア・エニックスなどの大手メーカーが進出しており、またインディースタジオも数多く存在することで知られる。これは優秀な人材が集まる都市であることも意味し、Amazon GamesのバイスプレジデントChristoph Hartmann氏は、開発・パブリッシングチームの構築を続ける中において、同社にとって貴重な人的資産になるだろうとコメント。そして、新設したモントリオールスタジオには経験豊かなタレントがおり、コミュニティにフォーカスしたマルチプレイ体験を構築し、クラス最高のオンラインゲームを制作するとしている。
同スタジオの設立メンバーには、Luc Bouchard氏やXavier Marquis氏、Alexandre Remy氏、Romain Rimokh氏といった、元Ubisoftのスタッフが名を連ねている。いずれも各専門分野にて『レインボーシックス シージ』の開発・運営に携わった経験を持ち、今回の発表の中でも同作での実績について言及された。また、クリエイティブ・ディレクターとして『レインボーシックス シージ』の開発を率いたMarquis氏は、同作を手がけた8年間の経験をもとにしながらも、新作については白紙の状態から着手し、まったく新しいマルチプレーヤー体験の構築を目指すとコメントしている。
Amazon Gamesが開発中のゲームというと、ほかにMMORPG『New Worlds』がある。もともと2020年5月にリリースされる予定だったが、延期を重ね現在は8月31日に配信予定だ(関連記事)。また、「ロード・オブ・ザ・リング」をもとにしたMMOをLeyouと共同開発しているほか、未発表のプロジェクトもさまざま存在するという。オンラインマルチプレイゲーム制作に重きを置いており、モントリオールスタジオを新設することによって、さらにラインナップを拡充させる意向のようだ。
一方で、同社は過去に『Crucible』や『Breakaway』といったオンラインゲームを開発中止にしており、必ずしも順風満帆というわけではない。モントリオールスタジオが手がけるAAAタイトルはどのような作品となるのか、またリリース時期などもまだ明かされていないが、プロジェクトの行方には注目が集まる。