宇宙人狼『Among Us』の発音は「アモングアス」か「アマングアス」か論争。開発元に正しい読み方を直撃
昨年のバイラル化以来、根強い人気を保ちつづける宇宙人狼ゲーム『Among Us』。閉ざされた施設内でタスク完遂を目指す「クルーメイト」と、他メンバーの殺害を目指す「インポスター」で対決する非対称対戦ゲームだ。2020年12月にはNintendo Switch向けにで日本語版がリリースされ、国内ユーザーにとっての敷居が大きく下がった。さらに今年3月にはPC・モバイル版においても日本語バージョンがリリース。チャットも漢字・かなで会話が可能となり、急激に日本での浸透が進んでいるといえる。
ところで『Among Us』の周辺には、素朴な問題がある。それは「読み方」の問題だ。ローマ字的な読み方をするなら、タイトルの前半部分は「ア“モ”ング」ということになりそうな気がする。しかし実際に「Among」の発音記号を見てみると、その表記は「əmˈʌŋ」。このうち「ʌ」と表される発音は、日本語の「ア」に近い発音だ。あまり口を開けずに奥の方で発声するのが特徴である。すなわち「ア“マ”ング・アス」と発音するのにやぶさかではないのである。ちなみにアメリカのスラッシュメタルバンド、アンスラックスの3rdアルバム「Among the Living」は邦題「アマング・ザ・リヴィング」にて流通している。
要するに、日本語における『Among Us』の発音は「アモングアス」なのか「アマングアス」なのか、はっきりしないのだ。国内のSNSや動画投稿で『Among Us』の関連タグを設定する場合は「#アモングアス」「#アマングアス」双方が併記されることが多い。あるいはよりネイティブ発音に寄せてか、「アマンガス」とする例も散見される。実際にGoogle Trendsにて「アモングアス/アマングアス」のワード検索状況をグラフ化した図が下記のとおりだ。どちらも『Among Us』のバイラル化が始まった9月ごろより検索数を伸ばしているが、おおむね「アモングアス」が優勢であることが見受けられる。やはりアルファベットの「o」が入っていることによる視覚的効果が大きいのだろうか。
もうひとつソースとなりうる資料にあたってみよう。『Among Us』の国内Nintendo Switch向けリリースが告知された「Indie World 2020.12.16」内での発音だ。下記動画0:05時点で、パーソナリティのSoejima氏がはっきり「アモングアス」と発音している。任天堂が公式番組内で発表するタイトル名を現場判断で決定するとは考えがたく、「アモング」がオフィシャルな発音であることを示唆する重大なヒントといえるだろう。とはいえ先述のグラフを見ると番組放送後も幾度か「アモング」派と「アマング」派が近接する特異点が発生しており、「Indie World 2020.12.16」をもって国内の趨勢が決定したとはいいがたい状況だ。
ということで弊誌は、開発元であるInnerslothに直接問い合わせを送った。このたび迅速な回答を寄せてくれたのは、スタジオにてコミュニティディレクターを務めるVictoria Tran氏だ。結論からいうと、公式見解としての日本語発音は「a-MON-gu a-su」であるという。つまり「アモングアス」が、開発元の認める日本語発音だということになる。決着が、ついた。
現在でも毎週のようにバグ修正が配信され、精力的にアップデートを続ける『アモングアス』。3月22日には『Fall Guys: Ultimate Knockout』とのコラボレーションで『アモングアス』スキンがリリースされることも告知されている。今後も成長を続ける『アモングアス』の進展に期待すると同時に、その発音についても思いを馳せてみてはいかがだろうか。