元『オーバーウォッチ』プロSinatraa選手が性的虐待の告発を受ける。MVP記念スキンは返金対応、『VALORANT』大会からは出場停止処分
元『オーバーウォッチ』そして現『VALORANT』プロゲーマーであるSinatraaことJay Won氏が元交際相手から性的虐待の告発を受けている。 Blizzard EntertainmentはWon氏のバッジが付いた『オーバーウォッチ』ザリアのレジェンダリースキンの返金に応じている。Riot Gamesは同氏の『VALORANT』公式大会への出場を停止した。
Jay Won氏は元『オーバーウォッチ』のプロゲーマーであり、現在は『VALORANT』のプロゲーマーとして活動している。現在20歳であるWon氏は2019年にOverwatch LeagueでMVPを獲得、さらにOverwatch World Cup でもMVPに輝いた人物だ。2020年に『オーバーウォッチ』から『VALORANT』へ転向し、チームもSan Francisco ShockからSentinelsへ移籍していた。
元交際相手を名乗るCleo Hernandez氏は3月10日、TwitterにGoogle Documentへのリンク付きツイートを投稿した。文書は9ページにわたり、Heranandez氏がWon氏との9か月間の交際期間中に受けた虐待の内容が、文章と音声ファイル、SMSのスクリーンショットとともに公開されている。交際中に性的暴行を受けたことや、Won氏が避妊具の着用を拒んでいたことなどを主張する内容となっている。
またWon氏が性行為を強要していると思わしき音声ファイルも添付されている。さらに、ドキュメントに貼られたSMSのスクリーンショットには、精神的な虐待の様子が記録されている。Won氏はGPSを使い、日常的にHernandez氏の居場所を確認していたとのこと。トラッカーはときどき不正確な居場所を指すため、嘘をついているとしてWon氏に問い詰められていたようだ。
元交際相手であるHernandez氏の告発を受けて、Blizzard EntertainmentとRiot Gamesが声明を発表している。Blizzard EntertainmentはWon氏のMVPを記念したAlienスキンの返金に応じている。ゲームのキャラクター「ザリア」のレジェンダリースキンである。返金を希望する場合は200リーグトークンが返却され、コレクションからスキンが削除されるとのこと。またスキンにはMVPのトロフィーとOWLのトロフィーをあしらったバッジが付いているが、こちらも今後のアップデートによって削除される予定だ。
『オーバーウォッチ』のBlizzard Entertainmentだけでなく、『VALORANT』のRiot Gamesも本件に反応。同社によると、現在問題を調査中であり、Won氏へ「VALORANT Champions Tour: North America」への出場停止処分を下したとのことだ。
Won氏が所属するSentinelsも声明を出している。チーム内部で調査を行っており、その間Won氏はチーム内での活動を停止されているとのこと。かつて所属していたSan Francisco Shockは、Won氏はすでにチームのメンバーではないとしつつ、こうした状況にはゼロトレランスで対応すると強調している。Won氏は今回の告発を受けて、Twitterに文書を投稿した。Won氏はHernandez氏との関係が上手くいかなかったことについて謝罪しつつも、暴行については否定。進行中の調査にも協力していくと記した。