『テラリア』開発元、Googleの対応に激怒し見送っていたStadia版配信を一転して許可。Stadiaチームが関係回復に尽力
デベロッパーのRe-Logicは2月27日、サンドボックスゲーム『Terraria(テラリア)』の開発情報を公式フォーラムに投稿。この中で、先日配信を取りやめると表明していたStadia版について、一転してリリースを許可したことを明らかにした。
『テラリア』は、PCからコンソール、モバイルまで幅広く展開されている人気サンドボックスゲームだ。本作については今年1月、欧州のレーティング団体による審査結果の公表により、Googleが運営するクラウドゲームサービスStadia向けのリリースが計画されていることが明らかになっていた。しかし、開発元Re-Logicの設立者Andrew Spinks氏は2月8日、まだ正式発表前にもかかわらず、Stadia版のリリースを取りやめると発言。波紋を呼ぶこととなった。
ことの背景には、Spinks氏が管理していたRe-LogicのGoogleアカウントが停止されたことにある。YouTubeやGmail、Google Play、Google Driveなどの各関連サービスにアクセスできない状態になり、同スタジオとして動画投稿などができないほか、Spinks氏個人が購入したアプリやコンテンツもすべて利用不可になってしまったのだ。
利用規約違反を犯した覚えはなく、またGoogleに問い合わせても一向に反応がなかったことから、Spinks氏はSNS上で怒りをぶちまける。そして、理由もなくアカウントを停止したということは、GoogleはRe-Logicとの関係を断とうとしたと受け取らざるを得ないとし、『テラリア』のStadia版をキャンセルすると宣言するに至った(関連記事)。
今回のRe-Logicの投稿によると、Googleアカウントが停止されてから1か月ほどが過ぎて、ようやくGoogleから返事があったという。Googleは、Re-LogicのGoogleアカウントに何が起きたのかを包み隠さず説明し、アカウントを復旧させたとのこと。結局何が原因だったのかは明かされていないが、復旧したということはRe-Logic側に瑕疵はなかったのだろう。Re-LogicはGoogleの対応に満足したようで、『テラリア』のStadia向けのリリースを許可したそうだ。
またRe-Logicによると、Googleアカウント復旧に至るまでにおいては、Stadiaチームの尽力があったという。Stadiaというと、今年2月初旬に自前の開発スタジオStadia Games and Entertainmentの閉鎖を発表したことが記憶に新しい。Stadiaの責任者Phil Harrison氏は当時、今後はパートナーへの協力の強化をはかっていくと述べていた。それだけに、社内の別の部署によるミスとはいえ、パートナーへの対応によって人気タイトルである『テラリア』を失う事態に肝を冷やしたかもしれない。
なおStadia版『テラリア』は、DR Studiosが手がけるモバイル版の最新バージョンをベースにしているとのこと。現在はリリースに向けて、Googleによる審査を受けているところだそうだ。公式フォーラムへの投稿ではほかに、テクスチャパックやワールドのSteamワークショップへの対応についての進捗などが報告されている。