『大乱闘スマッシュブラザーズ DX』で「スタッフロールのシューティング」を全弾ヒットさせる猛者現る。30万円の懸賞金獲得
『大乱闘スマッシュブラザーズDX』(以下、スマブラDX)において、「スタッフロールのシューティング」を全弾ヒットさせる猛者が現れた。ゲームキューブタイトルの中でも最大級のヒットといわれる『スマブラDX』。同作は、総勢190名もの人々が携わって作りあげられている。歴々たる制作陣の名前を確認できるのが、特定モードクリア時に流れるスタッフロールだ。チーフディレクター桜井政博氏をはじめ、開発に関わったメンバーの名前を総覧できる貴重な機会。しかも、このエンディングはちょっとしたミニゲームとしても遊ぶことができる。奥から手前へ流れてくるスタッフ陣の名前を、3Dシューティングのように撃つことができるのだ。スコアが出る以外の利点は特にないものの、最後までゲームとしての遊び心を忘れない“桜井流”ならではの演出といえる。このエンディングのシューティング演出は、初代から始まり形を変えて最新作まで受け継がれている、一種の恒例行事である。
ただし190名もの名前となると、出現する“的”の量とスピードはかなりのもの。これまで、そのすべてを撃ち抜くチャレンジに幾多もの人々が挑戦し、失敗してきた。本作独特の難しさについては、YouTuberのNathaniel Bandy氏が動画にて紹介している。例を挙げるとまず通常のFPSでは、方向を変えるとキャラクターの身体もそちらへ動き、しばらくその向きで停止する。エイムを変えると視点カメラごと移動する、というのが多くのシューターにとって自然な動きだ。
ところが『スマブラDX』のシューティングでは、照準を動かしてもカメラは動かない。あくまで視点は固定されたまま、決まった画角内でエイムカーソルだけを動かすことになるのだ。これは言葉にする以上に操作の負担が大きく、ほんのわずかだけ狙いをずらしたいときには非常に繊細なスティック操作が要求される。また弾を放つ際、Aボタンを押しっぱなしではなく連打しなくてはならないこともプレイヤーの体力を削る要素だ。さらにこのモードでは、的に弾を当てることはできても貫通することはできない。それゆえ、手前に出てきた名前のちょうど真後ろに新たな名前が出てきた場合、いちど間を置かないと次の的にヒットすることができないのだ。
数々の要因により自らの手で偉業を達成できないと悟ったBandy氏。そこで同氏はTwitter上で大型企画を開催する。実機にて全弾ヒット達成の証拠動画をもっとも早く提出できたユーザーに、同氏のポケットマネーから3000ドル(約31万円)の懸賞を与えるとしたのだ。期限は3月31日までとされた。
そして今月に入り、ついに凄技を成し遂げた人物が出現する。YouTubeにて動画を投稿したMartin Zarate氏は実機にて、ツールを使用しつつスタッフロールだけを繰り返しトライ。海外メディアPolygonに伝えたところによれば、練習時間は50時間にもおよんだとのこと。もっとも難しいパートは声優陣の名前が出現するパートだ。ここはBandy氏も難所として指摘していた部分のひとつ。最初はすべての名前がまっすぐ1列に並んで現れるものの、的がこちらに近づいてくるにつれ各方向に散らばっていくという厄介な動きが設定されている。山場さえ越えてしまえば、あとはそのまま残りの的をヒットできるとZarate氏は語る。この偉業に対しては、プロプレイヤーであるMew2King氏もコメント欄に驚愕の声を残している。Bandy氏のTwitterによれば、約束どおりZarate氏は懸賞金3000ドルを与えられたという。
ちょうど今年でちょうど20周年の節目を迎える『スマブラDX』。新作が登場し続ける今もなお新たなチャレンジャーが登場することは、改めて同作の奥深さと愛されようを示しているといえそうだ。