『GTAオンライン』のチートツール業者、販売元の法的措置により閉鎖。ツール販売の収益をチャリティ団体に寄付へ
『Grand Theft Auto V』のオンラインモードである『Grand Theft Auto Online』(以下、GTAオンライン)に対応するチートツールを開発・販売する業者が閉鎖に追い込まれたことが明らかになった。
『GTAオンライン』は、『GTA V』に収録されたオンラインモードだ。本編と同じロスサントスを舞台にした多人数プレイが可能で、本編とは時系列の異なるストーリーやミッション、アクティビティなどを楽しむことができる。サービス開始からもう7年が経っているが、現在も精力的にアップデートやイベント配信が実施。本作のゲーム内課金は、販売元Take-Two Interactiveの収益の柱のひとつとなっている。
一方で、特にPC版においては、ほかのオンラインゲームと同様にチートツールの存在に悩まされ続けている。そうしたチートツール業者のひとつであるLuna Cheatsが、先週末にサービスを突如終了した。海外メディアPolygonによると、Take-Two Interactiveが法的措置に乗り出した結果だという。
Luna Cheatsは、『GTAオンライン』を改造するModメニューとして、25ユーロ(約3150円)で販売されていた。チートの内容は、所持金やカジノのチップを増やしたり、武器・弾薬・車両のスポーン、エイムボットの適用、特定イベントへのテレポート、またチャットへの任意メッセージの自動投稿など、非常に多岐にわたる。こうした多機能さから、本作におけるチートツールとしてはポピュラーな存在だったようだ。
Luna Cheatsの公式サイトでは、かつてはその機能の豊富さや、ほかのチートツールに対する優位性などを紹介していたが、現在は上のメッセージのみが表示された状態となっている。それによると、Take-Two Interactiveとの協議の末、チートサービスの提供や開発、メンテナンスを即座に終了させたとのこと。また、Take-Two Interactiveが指定したチャリティ団体に、ツール販売から得た収益を寄付することも明らかにしている。おそらく、そうした対応を条件に両者は和解したのだろう。Luna Cheatsは、自身のチートツールがもたらしたあらゆる問題について、『GTAオンライン』のコミュニティに謝罪している。
2013年に発売された『GTA V』は、イギリスのパッケージ版週販ランキングでいまだにトップ10圏内を維持しているほか、Steamの同時接続プレイヤー数でもトップ10に入っているほど高い人気を保っている。2020年8月時点で、売り上げは1億3500万本を突破したという。『GTAオンライン』のプレイヤー数も成長を続けており、本作を含むゲーム内課金は、Take-Two Interactiveの収益の半分近くを占めている。
本作を手がけるRockstar Gamesは、PCにおけるMod文化については尊重する立場を示しており、『GTAオンライン』についても、アップデートにより不具合が発生するリスクはあるとしながら容認している。ただし、不公平なアドバンテージを得たり、ゲームプレイを妨害したり、また嫌がらせ行為に繋がるようなMod・チートについては、当然ながら厳しく対処する姿勢だ。今回Luna Cheatsを閉鎖に追い込むことに成功したが、本作に対応するチートツールはほかにも存在するため、さらなる対応に乗り出す可能性もあるだろう。
なお『GTA V』は、PS5などの次世代コンソール版が2021年後半に発売予定。また、これに合わせて『GTAオンライン』のスタンドアロン版もリリースされる予定となっている