『ポケモンGO』にてトレーナーレベル50に到達したプレイヤーが出現するも、泥沼。白熱レースの悲しい結末

『ポケモンGO』にて、トレーナーレベル50に到達したプレイヤーが現れたようだ。特筆すべきことであれば、その経緯は少々複雑な様相を呈し、しこりを残している。

『ポケモンGO』にて、トレーナーレベル50に到達したプレイヤーが現れたようだ。『ポケモンGO』では昨年12月のアップデートにてレベルキャップが解放され、上限レベルが40から50へと引き上げられた。トレーナーレベル50の頂点を目指し、奔走する人々が続出。険しい道のりが乗り越えられ感動のクライマックスを迎えるかと思いきや、後味の悪いものとなったようだ。


最速トレーナーレベル50を目指すデッドレースは、1か月以上をかけておこなわれてきた。『ポケモンGO』のトレーナーレベルは、基本的にXPがたまることで上昇する。しかし40以上からは別だ。XPをためることに加えて、指定されたタスクをクリアする必要がある。エンドコンテンツとも言える難しさを誇っているのだ。「1日に200匹ポケモンを捕まえる」といったものから、「GOロケット団のリーダーを50回倒す」「相棒ポケモンと一緒に200km歩く」といったものまで。もっとも過酷なのはもちろん、レベル49からレベル50までの道のりだ。エクセレントスローを999回投げる、伝説のポケモンを5回連続で捕まえる、CP1500以下のポケモンのみでGOロケット団リーダーに3回勝つといったものまで用意されている(ポケマピ)。

さらにややこしいのは、PvPであるGOバトルリーグでも戦績を残さなければいけないこと。対戦で一定回数勝つことに加えて、GOバトルリーグでランク10にならなければ、レベル50の冠は獲得できない。ちなみにこのタスク内容は調整後のもの。1月24日まではランク20到達が必要であった。カジュアルなテーマでありながらコアプレイヤーを多く抱える『ポケモンGO』。その中でも、選ばれしトレーナーだけがたどり着ける境地。高いハードルであるにもかかわらず、物凄い勢いでレベル上げは進められており、頂点が視野に入りつつあるプレイヤーが続出していた。一日の配布制限のあるギフト渡しをしながらも、コツコツとタスクをこなし、トレーナーレベル50は目の前。しかし彼らの前に障害が立ちはだかった。不具合である。


今月1月25日になり、ゲーム内で日付が最初に変わるオーストラリア/ニュージーランドにてデッドレースは加速。複数のユーザーがトレーナーレベル48になり、さらにレベル49になるためのタスクが消化されていった。日付が絡んだタスクがなくなったことで攻略スピードがさらに上がり、王手をかける準備ができたのだ。しかし、突如彼らの進捗はリセットされることとなった。これが、前述した不具合である。突然の進行状況のリセットに、世界最速を目指し必死なプレイヤーは激怒。開発元であるNianticのサポートアカウントに、不具合を早く解消するようにメンションを飛ばしていた。この様子を見ていたのか、すぐさまNianticも対応した。


しかしこの対応がまずかったのかもしれない。というのも、真っ先にNianticへとメンションを飛ばしたLauren Bertoni氏を、まだ未達のタスクがあるにも関わらず、そのままトレーナーレベル49へと上げたのだ。また彼女とNianticのやりとりに割り込んだFleeceKing氏もトレーナーレベル49となった。不具合を解消するだけでなく、タスク進捗を無視して2名のレベルを49へと引き上げてしまった。結果としてNianticから救済を受けた2人がトップを走ることになり、1月26日に入りBertoni氏とFleeceKing氏はほぼ同時にトレーナーレベル50に到達。つまるところ、2名のみが公式から特別な待遇を受け、レースを独走しゴール。この対応に、コミュニティから強い批判が寄せられている。


Bertoni氏とFleeceKing氏は、レベル50到達を喜びながらも、批判もされる状況に困惑。FleeceKing氏は、自分たちはタスクのクリアは求めておらず、あくまでNiantic側の判断であったとコメント。怒りを自分に向けないでほしいと語っている。さらには、両名と同様にタスク進捗がリセットされたのち、早期にカスタマーサポートに問い合わせたが放置されていると語るユーザーも出現。なぜ自分が放置されたのだと怒っている。そのほかの進捗をリセットされていたユーザー向けの対応も、これまでの進捗過失が元通りになるといった復旧がメイン。タスクごとスキップされた事例は見つからない。


Bertoni氏とFleeceKing氏は、フォロワー数も多く『ポケモンGO』界隈では影響力のある人物。Nianticは、Twitter経由で素早く問い合わせをした有名人にだけ優遇をしたのではないかとして批判を呼んでいる。さらにバトルリーグの要求ランクが20から10へと引き下げられるなど、レース最中にルールをいじるような調整をしたことについても、不満が寄せられているようだ。レベル50到達を目指すコミュニティ界隈のトピックは、Bertoni氏とFleeceKing氏のどちらが速かったかではなく、なぜ彼らが優遇されたのかという疑問が中心に。いずれにせよ、トレーナーレベル50をかけたデッドレースは、しこりを残す結果となってしまった。

一般プレイヤーにとっては無関係な出来事であるが、トレーナーレベル50をめぐるデッドレースを見守っていた全世界のコアユーザーにとっては、なんとも形容しがたい結果となってしまった。Nianticは、今回の対応についてメッセージを出し、彼らを納得させることができるのだろうか。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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