『ポケットモンスター 赤』を「Twitterのアイコン」でプレイする遊びが熱い。リプライ欄に飛び交う、上下左右ABときどき罵声
『ポケットモンスター 赤』を「Twitterのアイコン」でプレイする遊びが今、注目を集めている。ここ数年ですっかり定着した配信ジャンルのひとつとして、Twitch Playsがあげられる。Twitchでゲームプレイの様子を配信しつつ、コメント欄にて視聴者が特定のコマンドを入力。すると、Botがコマンド指示に応じてゲームを操作するという仕組み。配信を見守るユーザー全員が協力してゲームクリアを目指すというものだ。本稿執筆時点で、Twitch Playsタグにおけるここ1週間の総視聴時間を見ても5万2000時間を超える(SullyGnome)。なかなか思い通りにいかないもどかしさと偶然うまく事が運んだときの喜び、全員でゴールを目指すライブ感が人気を博しているようだ。
「みんなでひとつのゲームを遊ぶ」一体感はメディアによらず共通のもの。そんなポイントに着目したプログラマーのConstantin Liétard氏は、Twitchではなく別のプラットフォームで同様の試みをしている。誰もが使っているTwitterにて、ユーザーの指示を仰ぎながら『ポケットモンスター 赤』をプレイしているのだ。操作コマンドは、指定のスレッドに連なるリプライ欄で入力される。では肝心のゲーム画面はどこに表示されるのかというと、リプライのすぐ左側。そう、Liétard氏のTwitterアイコンがそのまま、ゲームの画面を映し出しているのである。
さすがに動画がそのままアイコンの枠に映し出されているわけではなく、現時点でのゲーム画面がそのつど静止画として表示されるかたち。リプライを送ってから反映まで15秒程度かかり、おそらくコマンド入力を受け付けたのちゲームに出力し、スクリーンショットを撮影することでアイコンに設定しているものと思われる。現在でもページを更新するたびにじわじわとゲーム画面が進んでおり、それなりに参加者を集めていることがわかる。
動画配信ほど流れは速くなく、アクション性のない作品であることから、メジャーなTwitch Playsと比べれば難易度は低い……かと思いきや、やはり一筋縄ではいかないようだ。何せ小さなアイコンから覗ける範囲は400ピクセル×400ピクセルの狭い範囲。多くのブラウザでは丸くくり抜かれて表示されるため、画面中央近くしか見ることができない。右端に表示されるメニュー画面が確認できるのか心配なところだが、レポートについてはLiétard氏が夜間に手動でとっているとのこと。
複数人で動かすことの難しさは依然として立ちはだかっており、トキワタウンではひたすら酔っぱらったおじいさんに立ち向かう羽目になり大幅なロス。手持ちに不満を抱き「てめえらゼニガメ選んだのかよ、クソ野郎」と罵声を放つ者もいれば、何かがまかり間違ってゲームをやめて設定画面に飛んでしまった珍場面も。現在は専用のDiscordサーバーが立ち上げられ連携が図られているものの、今後も思わぬ闖入者にかき乱されることは避けられなさそうだ。
昨今の『ポケットモンスター』については、おさかながプレイして殿堂入りしたことも記憶に新しい(関連記事)。人類の集合知は、果たしてチャンピオンロードの土を踏むことができるのだろうか。