中国テンセント、『Warframe』スタジオ親会社の買収成立へ。株主過半数の承認得る
テンセントによるLeyou Technologies(以下、Leyou)買収について、Leyou株主の過半数による承認を得られたと発表された。香港取引所(HKEX)の公式サイトにて情報が開示されている(リンク先HKEXのPDFリンク)。厳密には投資会社であるテンセント子会社Image Frame InvestmentがLeyouを買収し、完全子会社化する形となる。Leyouの時価総額は約100億香港ドル(約1340億円)。売却価格は約110億香港ドルとされている。Leyouの株式は12月23日付けで非公開化。なおテンセントとLeyouは今年7月の時点で、買収に向けた独占交渉を進めていると発信していた(Bloomberg)。
Leyouは、『Warframe』の開発元として知られるDigital Extremes、『Gears of War』シリーズ4〜5作目のマルチプレイモードや『Gears Tactics』の開発に関わったSplash Damage。モバイルゲームを開発するKingmakerやRadiance Gamesを傘下に抱えている投資持株会社だ。Certain Affinityの大株主でもある。
もともとLeyouは農業生産市場を主戦場としていたが、2014年ごろからゲーム事業に転身。先述したゲームスタジオを次々と傘下におさめ、収益を伸ばしていった。グループ全体では従業員1000人以上。主力となるDigital Extremesの『Warframe』は累計プレイヤー数6000万規模におよび、Leyouによる収益の80%近くを生み出している。基本プレイ無料タイトルとして、PCとコンソールゲーム市場でグローバル規模の成功をおさめた実績をテンセントは評価しているのだろうと、Niko PartnersのアナリストDaniel Ahmad氏はVentureBeatのインタビューにて答えている。
テンセントは世界各国のゲームスタジオの買収や、スタジオとの資金提携を進めている。最近の国内事例でいうと、1月にプラチナゲームズと資金提携を(関連記事)、5月にマーベラスと資金業務提携を結んだことが発表された(関連記事)。海外では10月に『GTFO』開発元10 Chambersの株式の過半数を取得。すでに株式過半数を有しているRiot GamesやSupercellなどテンセントの影響範囲は広い。テンセント自身としても『PUBG: Mobile』『Call of Duty: Mobile』など数々の人気作品を手がけている。
巨大企業テンセントによる買収を経て、今後『Warframe』を筆頭とするLeyou傘下タイトルが、どのようにフランチャイズ拡張を図っていくのか注目したい。