Riot Games、『League of Legends』のプロシーンから鍵屋の「G2A」を排除へ。アカウント売買が原因でスポンサリング禁止処分
人気MOBA『League of Legends』(以下、LoL)の開発・サービス運営として知られるRiot Gamesは、ゲームプロダクトキーの売買を仲介する「G2A」に、『LoL』プロチームのスポンサリングを禁止する処分を下した。海外メディアThe Daily Dotが報じ明らかとなったもので、Riotのスタッフも海外フォーラムRedditにて処分を認めている。
G2Aは多数の『LoL』プロチームをスポンサリングしており、海外ではCloud9やCounter Logic Gaming、H2Kなどと契約を結ぶ。Riot Gamesはこれらのチームに、年末開催の大会「World Championship」でもG2Aのロゴを使用しないよう要請しているという。国内でも、G2Aは強豪チームのDetonatioN FocusMeなどとスポンサー契約を結んでおり、このままG2Aが『LoL』シーンから撤退した場合には国内外での大きな影響が懸念される。
原因となったのは、Riot Gamesが『LoL』の規約で禁止している「アカウントの売買」を、G2Aがサイト上で仲介していたことだ。現在もG2Aのサイト上では2500円前後でレベル30のアカウントがIP付きで売買されているが、Riotはこういったアカウント売買や他プレイヤーによるプレイ代行を禁止している。また、これらの行為はRiot Games主催のプロリーグ「LCS(League of Legends Championship Series)」のルールブックでも禁止されている。
The Daily Dotが伝えるところによれば、G2AはRiot Gamesとの話し合いに失敗した場合、『LoL』の全チームからスポンサーとして撤退する予定であるという。AUTOMATONではG2Aへと取材を行ったが、現時点で情報を共有することは許されておらず、後日プレス向けに伝えるという返答だけが返ってきている。
RiotスタッフはRedditにて「今回はけっして容易な決断ではなかった」とコメント。G2Aと解決の道を何週間にもわたり模索したが、同意は得られなかったと伝えている。スポンサーを失うチームに影響がでることも理解しているものの、それでも「LCS」の規則を違反する団体がスポンサーであることは認められないという考えのようだ。
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『LoL』の規約違反を犯しているG2Aが、多数の『LoL』プロチームのスポンサーになっているというのは、あらためて見てもいびつな構造だ。G2Aは近年国内外で個人ブログもふくめたパートナーシップ契約を急速に推し進めており、e-Sports方面へも広く進出している。プロダクトキーの売買はたびたびその違法性や不透明性が問題かどうかで議論となるが、今回の『LoL』のアカウント売買に関しては完全な規約違反であり、G2Aがアカウントの売買をやめるかやめないかがすべての鍵を握ることとなりそうだ。