『サイバーパンク2077』、すでに開発費と宣伝費を回収していた
CD PROJEKTグループは12月11日、投資家向けの企業レポートを公開。その中で、『サイバーパンク2077』の開発費と宣伝費を、デジタル版の予約販売によって回収する見込みと発表した。
厳密にいうと、デジタル版の予約販売によってCD PROJEKTが受け取るライセンスロイヤリティが、①ゲーム開発に関わるすべての支出 ②すでに発生および2020年中の発生が予定しているゲームのマーケティングおよびプロモーション費を、上回る見込みだとされている。
CD PROJEKTは、世界各地にてパートナーと連携して、パッケージ版を販売している。デジタルゲームの売れ行きが強い時代であるが、こうしたパッケージ版の売上を抜きにしても、すでに膨大とされる開発費・宣伝費を回収したようだ。
実際の『サイバーパンク2077』総開発費については定かではないが、2020年第3四半期の業績発表資料よりその数字を少し推察できるかもしれない(リンク先はPDF)。CD PROJEKT グループでは2018年より四半期ごとに5億円以上の開発費が計上されており、2019年第3四半期より四半期ごとに10億円以上の開発費があてられている。開発費のすべてが『サイバーパンク2077』にあてられているとは限らない。さらに8年もの間開発されている関係でその全貌は見えない。ただ、その額の大きさが伺い知れる。またキアヌ・リーブス氏の起用や、大規模なプロモーションによる宣伝費のコストも大きなものだろう。膨大なテキスト量のゲームであるにも関わらず、日本語にも吹き替え音声が搭載されており、日本語ローカライズだけでも大規模な投資がなされている。
しかしそれらを上回る収益を得ているようだ。同作はパッケージ版含む予約販売のみで800万本売り上げているといい、そのほかの予約販売関連の数字でいうと、Steamだけで50億円以上の収益を得ているとのこと。ここにGOG.com版やコンソール版などが加わり、さらに発売日の売上を加えていくことで、その額は膨大になる。『サイバーパンク2077』は、マルチプレイモードなども含めて、今後もさらに開発されていく。利益面で成功が収められていることで、フランチャイズの見通しも明るくなりそうだ。