『Apex Legends』ブラッドハウンドの英語声優は男性? 女性? ノンバイナリーな狩人のボイスを生み出す秘密の工程が明らかに
『Apex Legends』をほかのバトルロイヤルシューターから際立たせている要素のひとつとして、各レジェンドに用意された豊富なボイスがあげられる。リングの閉鎖状況や戦況など、キャラクターがことあるごとにセリフを発することで状況がプレイヤーにわかりやすく伝わる。さらに、それぞれ固有の性格が表れたボイスラインとなっているため、それぞれのキャラクターが秘めたバックグラウンドにも思いを馳せやすくなっているのだ。操作キャラが何を言おうが試合の行末には関係ないが、背景の物語を連想させるセリフの数々は『Apex Legends』を彩る重要な要素のひとつといえる。
音声といえば、数あるレジェンドの中でもとりわけ異質な人物がいる。科学で敵を追跡するハンター、ブラッドハウンドだ。エスニックな狩人装束とテックウェアを組み合わせた特徴的な出で立ちで、男性とも女性ともつかない独特の印象だ。実際、Respawn Entertainmentからブラッドハウンドはノンバイナリー(性自認が男性でも女性でもない)であることが明かされている(Rock Paper Shotgun)。そんなブラッドハウンドの声は、ガスマスク越しに変声機を通した中性的な声だ。若く瑞々しい男性の声にも、低い老練の女性の声にも聞こえる絶妙なバランスといえるだろう。
*オリジナルアニメーションではマスクオフのブラッドハウンドが見られる。が、若く変声期前のため、男女の区別がつかないというニクい演出。
ブラッドハウンド自身の性別は男女どちらでもないが、その英語ボイスを演ずる声優は女性のAllegra Clark氏が務めている。同氏は自身のTikTokにて、「加工される前のブラッドハウンドの声」を演じる貴重な映像を公開した。Clark氏によればゲーム内で聞けるブラッドハウンドの音声は、まず彼女が演じた声を収録したのち、ピッチを少し下げる。さらにガスマスクを通した機械音声のようなノイズエフェクトをかけることで、独特の性別不詳なボイスが生み出されているという。演技指導としては「中性的で、意志の強い感じ」とのオーダーが入ったそうだ。もしかすると、日本語版でも同様のステップがとられているのかもしれない。実際の演技を聞けば日本版ユーザーでも、初期シーズンの英語音声に親しんでいた人は懐かしさを感じるのではないだろうか。
なおブラッドハウンドの英語には北方系のなまりが入っているという。オーディンなど北欧の神々を信仰している様子からも、スカンジナビア系の人種が想定されているのだろう。『Apex Legends』といえば多国籍な登場人物も特徴的。ライフラインのジャマイカなまりやホライゾンのスコティッシュ風アクセントを味わえないのは、非英語ユーザーとしては惜しいところだ。ちなみにそのホライゾン演ずるElle Newlands氏は、先日驚きのボイス収録方法が明かしていた(関連記事)。ゲームを彩る名優たちによる裏話を聞くのも、楽しみのひとつだろう。
ここ最近は女性レジェンドの追加が続いているとの指摘もある本作。実際に比率を見てみると、現在のところ『Apex Legends』の男女比は男子6名・女子6名・MRVN1機・ブラッドハウンド1名となっている(人造の悪夢は要検討)。今後はどんなレジェンドが名演を見せてくれるのだろうか。