『Sunless Sea』シリーズ新作は、恋愛ビジュアルノベル『Mask of the Rose』。地下に落ちたロンドンで恋に落ちる
Failbetter Gamesは12月2日、『Mask of the Rose』を発表した。同スタジオが手がけてきた『Fallen London』『Sunless Sea』『Sunless Skies』と世界観を共にする、「Fallen London」ユニバース物の作品だ。時系列としては過去3作よりも前、1862年にまで遡る前日譚となる。ジャンルとしては恋愛ビジュアルノベル。同スタジオにとって新たな試みである。
Failbetter Gamesは現在複数のプロジェクトを進行しており、そのうちのひとつとして発表されたのが『Mask of the Rose』。19世紀、大英帝国の都市はNeathという地下世界に次々と引きずりこまれていき、ヴィクトリア王朝の大都市ロンドンさえも地下に落ちてしまった。なんとか君主制を維持するも、都市の実権は経済圏を支配する秘密組織Masters of the Bazaarが握っていた。「Fallen London」ユニバース作品では、そんな光を失った世界での物語が展開される。
『Mask of the Rose』の舞台は1862年、地下落ちしたばかりのロンドン。人々はまだ地下での生活に順応しようとしている最中。主人公は小さな寄宿舎にて、ほかの下宿人たちとともに暮らしていた。同居しているのは、医療学生のArchie、Master of the Bazaarに仕えるGriselda、大家のHoratia、そして地元の保安官Harjit。主人公は地下世界で新生活を送りながら、遺跡となった英国議会を訪れたり、殺人の疑いをかけられた人物の裁判に干渉したり、謎多きMasterと恋に落ちたりと、さまざまな経験を積んでいく。
よりパーソナルな物語が紡がれる『Mask of the Rose』では、過去作にて描かれてこなかった出来事にも触れていくという。地下落ち直後のロンドンでの生活を体験し、新たな謎に直面するほか、シリーズに登場してきたキャラクターや組織の起源にも迫っていく。物語の時系列としては一番古い作品ゆえ、新規プレイヤーにとっても遊びやすいものになるだろうと、Failbetter Gamesは伝えている。『Mask of the Rose』のアートスタイルに関しては、フィルム・ノワールやヴィクトリア様式の写真、さらにはザ・ブリッツ(ロンドン大空襲)期の英国から影響を受けているという。これまでの「Fallen London」ユニバース作品で見られた絵画的なアプローチから発展したものになると説明されている。
テキストアドベンチャー『Fallen London』、見下ろし視点のサバイバルアドベンチャー『Sunless Sea』『Sunless Skies』とは打って変わり、地下落ちロンドンの恋愛ビジュアルノベルという、新たなジャンルに挑む『Mask of the Rose』。2021年2月8日にKickstarterキャンペーンを実施し、さらなる情報を発信するという。なお冒頭で触れたように、Failbetter Gamesは現在2つのプロジェクトを進行中。もう片方のプロジェクトについては、「Fallen London」ではない新たな世界が舞台となり、ゲームメカニックも大きく異なる作品になるとのことだ。