ゲームクリエイター外山圭一郎氏がSIEから独立しスタジオ設立。同じく『サイレン』を手がけたベテランスタッフらと始める新たなゲームづくり
ゲームクリエイター外山圭一郎氏は12月3日、これまで在籍していたソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)を離れ、Bokeh Game Studioを設立していたことを発表した。今年8月13日にスタジオは設立されており、新たな挑戦を進めているという。外山氏が代表取締役を務めるほか、取締役社長は佐藤一信氏が、取締役には大倉純也氏が就いている。
外山氏は、さまざまなタイトルを手がけてきたゲームクリエイターだ。コナミに入社しディレクターとして『サイレントヒル』を生み出した。その後、SIEの前身となるSCEに入社し、同じくホラー作品として『サイレン』シリーズの制作を指揮したほか、『GRAVITY DAZE/重力的眩暈:上層への帰還において彼女の内宇宙に生じた摂動(以下、GRAVITY DAZE)』シリーズのディレクションを担当。ホラーゲーム開発に定評を持ちつつ、重力アクションを手がけるなど幅広い作風を見せており、根強い人気がある。
外山氏と共にBokeh Game Studioを立ち上げた面々もまた、実績あるクリエイター。佐藤氏は『サイレン』シリーズのリードキャラクターデザインを務め、『人喰いの大鷲トリコ』ではプロデュースを担当。大倉氏は、『サイレン』シリーズや『GRAVITY DAZE』シリーズのリードゲームデザインを担当。両名ともに外山氏のゲームづくりを実現する上での要人といえるだろう。
設立発表にあわせて公開された映像では、外山氏と佐藤氏、そして大倉氏の三名が心中を吐露。「これ楽しいんじゃないか、面白いんじゃないか、とノリで作っていた頃が忘れられない」「今までは会社が環境を用意してくれており、その中で何を作るか考えていた」「今は自分たちでいちから環境を用意しなければいけない、責任もあり大変だが自由にできることが一番大きい」といった言葉がかわされている。外山氏はというと、ゲームづくりを楽しんでいきたいと表明。期待してくれているファンにこたえたいという気持ちを持ちつつも、何よりゲームづくりを楽しむ気持ちを大切にしたい。そうした気持ちが伝わるゲームをつくっていきたいとしている。
会社名である「Bokeh」は、カメラの撮影技術であるボケ(ぼかし)に由来しているという。もともと日本で生まれたテクニックの言葉であるが、今では世界共通のものとなっている。そうした日本発でありながら世界の人々に楽しんでもらえるようなものづくりを目指し、Bokeh Game Studioという名前がつけられたようだ。事業内容欄には「コンシューマー・PC でのソフトウェア、コンテンツの企画および開発」と記されている。すでに初回作品には取り掛かっているという。外山氏率いるBokeh Game Studioの今後に注目しておこう。