『サイバーパンク2077』には、著作権保護された楽曲をオフにするBGM設定が存在する。実況配信者向けの安心機能

 

CD PROJEKT REDは11月20日、『サイバーパンク2077』の情報を届ける番組「Night City Wire」のエピソード5を配信した。これに合わせて、一部メディアから新たなゲームプレイプレビューが公開され、本作にはTwitchなどでの実況配信のためのBGM機能が用意されていることが明らかになった。海外メディアGameSpotが報じている。
 

 
『サイバーパンク2077』では、キアヌ・リーブス氏演じるジョニー・シルヴァーハンドのバンドSAMURAIの楽曲をRefusedが担当するほか、Run The JewelsやRAT BOY、Nina Kravizなど世界中のアーティストが楽曲を提供。ゲーム内のラジオなどを通じて聴くことができる。そうしたサウンドトラックについて、実況配信時に著作権の問題が発生する可能性のある楽曲を、ゲームプレイ中に流さないようにする設定が用意されているという。

このような設定を実装するに至った背景には、最近のTwitchにおける状況が関係しているのかもしれない。Twitchでは今年5月ごろから、大手レコードレーベルより毎週数千件のDMCA通知を受け取っているという。つまり、Twitchにて配信されたクリエイターのコンテンツに含まれる楽曲が著作権違反であるとして、DMCA(デジタルミレニアム著作権法)に基づく削除通知をレーベル側が送付している。5月以前は年間50件ほどだったそうだが、突然急増したとのこと。その理由はともかく、Twitchとしては指摘されたコンテンツを削除するほかなく、クリエイター側の不満に繋がっていた。
 

 
DMCA通知の対象のほとんどはゲーム内の楽曲以外だったそうなので、配信中に別の音楽をかけていたのだろう。レーベルが著作権違反を訴えることは正当な行為だといえる。ただ、ゲームのBGMであっても、メーカーが配信のためのライセンスを取得していなければ問題となる。こうした状況から、Twitchは自社のSoundtrack機能などを通じてライセンス取得済みの楽曲を利用するか、配信中に音楽を再生しないことを勧めている。

『サイバーパンク2077』においては、先述したように多数のアーティストが楽曲を提供する。これらのライセンスはどのような形で取得しているのかは不明だが、仮にレーベル側の誤解によってDMCA通知が出されたとしても、Twitchとしては一旦はコンテンツを削除しなければならない。これはクリエイターはもちろん、CD PROJEKT REDとしても望むところではないだろう。

今回明らかになった、著作権保護された楽曲をオフにするBGM設定は、そうしたクリエイターたちの不安を取り除くことに繋がる。また、本作には150曲以上のオリジナル楽曲が収録されるため、ゲームプレイ中のBGMが寂しくなるということもなさそうだ。
 

 
今回のNight City Wireでは、本作のBGM制作の背景のほか、ジョニー・シルヴァーハンドを演じたキアヌ・リーブス氏のモーションキャプチャーの様子や、多言語対応のリップシンク技術の紹介(関連記事)、そして新たなゲームプレイトレイラーも披露された。

『サイバーパンク2077』は、PC/PS4/Xbox One向けに12月10日発売予定。PS5/Xbox Series X|Sでも後方互換によりプレイ可能となり、2021年には最適化されたバージョンがリリースされる。