AMDの新世代GPU「Radeon RX 6000」シリーズが正式発表。高ワットパフォーマンスを謳う3モデルが11月18日より順次発売へ
AMDは10月29日、「RDNA 2」アーキテクチャに基づく新世代GPU「Radeon RX 6000」シリーズを公式番組にて正式発表した。発表されたシリーズ製品は、「Radeon RX 6900 XT」「Radeon RX 6800 XT」「Radeon RX 6800」の3モデル。RX 6900 XTは12月8日、他モデルは11月18日に発売予定だ。それぞれの価格は、RX 6900 XTが999ドル、RX 6800 XTが649ドル、RX 6800が579ドルとなっている。
上位モデルとなるRX 6800 XTは、ゲームクロックが2015MHz、ブーストクロックは2250MHzを誇る。72基のコンピュートユニット(演算ユニット)に、バス幅256bit・容量16GBのGDDR6メモリを備えた大容量カードとなる。本製品は7nmプロセスを採用。対応APIはDirectX 12 Ultimateで、レイトレーシングやVRS(可変レートシェーディング)、メッシュシェーダやサンプラーフィードバックをサポートする。また消費電力は300Wになっており、省電力化と高ワットパフォーマンスの実現が謳われた。
番組内で公開された内部ベンチマークによると、RX 6800 XTはNVIDIAのGPUであるRTX 3080と比較して同等の性能、もしくはそれを超えるパフォーマンスを誇っている。具体的には4K解像度のUltra設定によるゲームプレイにおいて、『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア』がRTX 3080を上回る91fps、『ディビジョン2』は少し下回る74fps、『シャドウ オブ ザ トゥームレイダー』は同等の88fpsとなっている。
GPU用のソフトウェア「Radeon Software」には、ワンクリックでオーバークロックを自動的に行って性能を向上させる「Rage Mode」を搭載。これに前世代と比較して電力性能比を約54%向上させたRDNA 2アーキテクチャや、高速なメモリパフォーマンスを実現する128MBの特殊キャッシュ「Infinity Cache」、そしてRyzen 5000シリーズを用いる独自技術「Smart Access Memory」を組み合わせることで、性能要求の高い人気ゲームにおいてもっとも優れた選択肢になるという。
下位モデルとなるRX 6800と上位モデルの差異は、まずゲームクロックが1815MHz。ブーストクロックは2105MHz。加えて、搭載するコンピュートユニットは60基で、消費電力は250Wとなっている。その性能はRTX 2080 Tiを上回るものとしており、内部ベンチマークにおいては、4K解像度のUltra設定による最新タイトルのゲームプレイで60fps以上の描画が保たれている。
最上位モデルとなるRX 6900 XTは、80基のコンピュートユニットを搭載。その他は上位モデルの仕様を踏襲しており、その性能はRTX 3090に匹敵するものとしている。内部ベンチマークにおいては、4K解像度のUltra設定によるゲームプレイにおいて、『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア』が102fps、『ディビジョン2』が81fps、『シャドウ オブ ザ トゥームレイダー』が96fpsと、シリーズ製品の中でもっとも高いスコアを示した。
新世代GPUの3モデルについては、今回公開されなかったレイトレーシング有効時の性能差が気になるところだが、内部ベンチマークのスコアどおりであればNVIDIAのGPUに勝るとも劣らない性能を持ちながらも、コストパフォーマンスに優れたGPUといえるだろう。なお番組内では、次世代アーキテクチャとなる「RDNA 3」の開発も明かされている。
AMDの新世代GPU「Radeon RX 6000」シリーズは、11月18日より順次発売予定だ。