「PICO-8」ファンジンの日本語版が完成。ゲーム制作ツールの解説だけでなく、開発者zep氏による誕生秘話も収録
ファンタジーコンソール「PICO-8」をご存知だろうか。東京の「Pico Pico Cafe」を拠点に活動するLexaloffle Gamesが開発したゲーム制作ツールである。先月より単体販売を開始した「PICO-8」(14.99ドル)は、レトロスタイルのゲームを制作することができ、『Super Hexagon』の生みの親Terry Cavanagh氏や、Disney Mobile Gamesで活躍するTim FitzRandolph氏も愛用している。同ツールで制作されたゲームは公式サイトで公開されており、その数は増え続けている。
PICO-8 Fanzine #1 japanese
「PICO-8」は公式マニュアルも英語であり、「興味はあるけど英語が苦手」ということを理由に敬遠していた方もいたのではないだろうか。もうその心配は無用といえるかもしれない。イギリスのゲーム開発スタジオOutOfTheBitのグラフィックデザイナーArnaud De Bock氏を筆頭に進められていたプロジェクト、「PICO-8 Fanzine #1」の日本語版が完成したのだ。翻訳は、モバイル向けローグライク『Gesuido』を開発中の三原亮介氏によるもの。なお、「PICO-8 Fanzine」の価格は、購入者が自由に設定できる“Name your own price”方式。
ファンジンには「PICO-8」の生みの親、zepことJoseph White氏による誕生秘話が収録されている。幼少期の話、過去から現在にいたるプロジェクトについて、なぜ『Voxatron』と「PICO-8」をファンタジーコンソールと呼んでいるのかなど、非常に興味深い内容になっている。すでにゲーム開発にたずさわっている方にはぜひとも読んでいただきたい。
さきほど述べた「興味はあるけど英語が苦手」という方にとってうれしいのは、「PICO-8」の使い方についての解説がある点だろう。ツールを起動させたら次は何をすればいいのか、どのキーを押せば何が起きるのかなどが書かれている。さらに、サンプルプログラムを使って実際にゲームを作りながら学ぶこともできる。まずはこのファンジンを入手して目を通してからツールを購入するのもありだ。
ゲーム開発、プログラミング、それらに興味があってもなかなか踏み込めないという人は(私を含め)多いはず。年々その壁は低くなりつつあり、Unreal EngineやUnityに手を出しやすい時代になってきている。ゲーム業界の景気については別として、今後ゲーム開発に触れる人は増えていくのではないだろうか。そうであってほしい。