海外版『龍が如く7 光と闇の行方』では、戦闘メニューの頭文字がSEGAになる。Twitter上での提案を受けて翻訳を変更
セガより2020年11月に海外発売予定となっている『Yakuza: Like a Dragon』。日本では今年1月に発売された『龍が如く7 光と闇の行方』の海外版だ。11月の海外発売が近づいているということで、海外版トレイラーの公開といった宣伝活動が活発になってきている。そんな中、開発の途中でゲーム内のとある表記が変わったことが判明した。戦闘メニューの表記が、当初の「Skill・More・Guard・Attack」から「Skills・Etc.・Guard・Attack」に変更。つまり、頭文字をとって「SEGA」と読めるようになったのだ。海外メディアのKotakuが報じている。
ドラマティックRPG『龍が如く7 光と闇の行方』は、主人公を桐生一馬から春日一番に、戦闘を従来のアクションではなくターンベースのRPGシステム(ライブコマンドRPGバトル)に変更し、心機一転を図ったナンバリング最新作。助っ人をスマートフォンで呼び出す「デリバリーヘルプ」や、その筋のものを集める「スジモン」、ハローワークでのジョブチェンジ、マリオカートならぬドラゴンカート。こうした大量の小ネタを散りばめつつも、元荒川組の春日一番と仲間たちが共に成り上がり、巨悪を打ち砕くまでの重厚な物語を描き、新主人公の樹立を果たした作品である。
それまでのナンバリング作品とは違い、ターンベースとなった同作の戦闘では、「極技・その他・攻撃・防御」からコマンドを選んで戦うRPGシステムが取り入れられている。この「極技・その他・攻撃・防御」という戦闘メニューは、海外版では「Skill・More・Guard・Attack」と、当初翻訳されていた。IGN主催のSummer of Gaming 2020で公開されたゲームプレイ映像でも、当時の戦闘メニューが確認できる(動画リンク)。
ここに注目したのが、ゲームのローカライズ業務をおこなっているハチノヨン(8-4)の共同設立者であるジョン・リカーディ氏だ。同氏は今年6月、「その他」のオプションである「More」を「Etc」もしくは「Extra」と訳せば、「SEGA」と読めるようになると提案。ローカライズ業に携わる者らしい着眼点と提案だろう。セガのローカライゼーション・プロデューサーであるScott Strichart氏も、「ちくしょうジョン」とTwitter上で短く反応していた。
それから1か月半後の7月29日、向田紗栄子を演じる英語版声優Elizabeth Maxwell氏が紗栄子について語る動画「Yakuza: Like a Dragon | Elizabeth Maxwell Behind The Scenes」が公開された(動画リンク)。同動画では『Yakuza: Like a Dragon』の戦闘シーンも映っているのだが、過去に公開されたゲームプレイ動画とは異なる点があった。「その他」の「More」が「Etc.」に変更されていたのだ。本件について報じたKotakuが、先述したStrichart氏に確認したところ、リカーディ氏の提案を受けて変更したとの証言が得られたという。リカーディ氏はTwitter上で、新しい戦闘メニューのスクリーンショットとともに「ミッション達成」と投稿している。
戦闘メニューの頭文字を取って「SEGA」と読めるようにするというのは、日本語表記の国内版ではできなかった、ローカライズ版ならではのアイデア。もちろん「More」のまま残しても、ローカライズとしてまったく問題ない。それでもユーザーからの提案を受けて手を加えたというところには、ただ言葉としての正しさを追い求めるだけではない、ローカライズ業へのこだわりを感じる。海外版『Yakuza: Like a Dragon』は今年11月発売予定。国内版『龍が如く7 光と闇の行方』はPlayStation 4向けに販売中だ。