Netflix「ウィッチャー」の実写スピンオフシリーズ発表。ウィッチャーの誕生秘話を描く「The Witcher: Blood Origin」
Netflixは7月27日、オリジナルドラマ「ウィッチャー」のスピンオフシリーズ「The Witcher: Blood Origin」を発表した。6エピソードからなる実写シリーズであり、「ウィッチャー」の1200年前の出来事が描かれるという。タイトルが示すとおり、ウィッチャーの誕生を巡る物語が描かれる。「ウィッチャー」製作総指揮のLauren S. Hissrich氏がエグゼクティブ・プロデューサーとして、脚本家Declan de Barra氏(シーズン1エピソード4「宴、命、葬」担当)がエグゼクティブ・プロデューサー兼製作総指揮としてスピンオフシリーズの製作に関わる。
スピンオフシリーズでは、1000年以上前に起きた大変動「天体の合」により、人間や異界生物が世界に流入する前後の世界が描かれる。製作総指揮を担当するBarra氏は、人間が訪れる前、エルフたちの世界はどのようなものだったのか、彼らの文明の繁栄と没落、科学、発見、文化にかねてから興味を抱いていたと語っている(Deadline)。「The Witcher: Blood Origin」は、そうした没落前のエルフ文明、そしてウィッチャー誕生にまつわる失われた歴史を明かす内容になるとのこと。
1200年前の世界が舞台ということで、現在進行しているNetflixオリジナルドラマ「ウィッチャー」とはまた違ったテイストのシリーズとなりそうだ。なおウィッチャーのルーツを辿る「The Witcher: Blood Origin」の製作には、小説原作者のAndrzej Sapkowski氏がクリエイティブ・コンサルタントとして関わっている。撮影は英国でおこなわれる予定。キャストや撮影・配信時期は未定となっている。
2019年に配信が開始された「ウィッチャー」は、超人的な力を秘めたウィッチャーのゲラルトが陰謀と策略の渦に巻き込まれていくNetflixオリジナルドラマ。原作小説とは異なり、ゲラルトだけでなくイェネファーとシリの視点から描くオリジンストーリーも導入。ゲラルト役ヘンリー・カヴィルの熱演ぶりも含めてユーザー評価が高く、ドラマ効果によってゲームシリーズの売り上げや同時接続プレイヤー数が急増したり、原作小説の人気再加熱により増刷を重ねたりと、大きな反響を呼んだ。
すでにシーズン2の製作が決定しており、新型コロナウイルスの影響で撮影が中断されていたものの、8月17日にプロダクションが再開される予定となっている(「ウィッチャー」公式Twitter)。なお「ウィッチャー」のエグゼクティブ・プロデューサーTomek Baginski氏は今年1月の時点で、シーズンの間にはいくつかのサプライズを用意していると語っていた(Redanian Intelligence)。「The Witcher: Blood Origin」もそうしたサプライズのひとつなのだろう。
Netflixは今年1月、別のスピンオフ作品としてアニメシリーズ「The Witcher: Nightmare of the Wolf」を発表している。そちらはヴェセミルのオリジンストーリーを描くという内容で、アニメーション制作は「The Legend of Korra」やNetflixシリーズ「ヴォルトロン」を手がけた韓国のスタジオミールが担当する。「ウィッチャー」シーズン2と、2つのスピンオフシリーズ。Netflixのコンテンツ展開によって、さまざまな角度から「ウィッチャー」ファンを楽しませてくれそうだ。