カーソルキーを“預けていく”パズルゲーム『All Out of Controls』itch ioにて無料配信中。徐々に操作の自由が奪われる
インディー開発者のmattmd氏は7月12日、パズルゲーム『All Out of Controls』をitch.ioにて配信開始した。本作はゲームジャムへの出品作品であり、無料でダウンロードしプレイできる。
本作は、トップダウンビューの小さなステージにて、カーソルキーを“預けていく”パズルゲームである。自機は四角い箱で表現されており、プレイヤーはカーソルキーにて転がして4方向に移動可能。そして、地面にいくつか設置されているタイルすべてに、カーソルキーを預けることができればステージクリアだ。
カーソルキーを預ける、とはどういうことか。たとえば上のスクリーンショットの場面では、ちょうど自機の右隣にタイルがある。この状態で右にカーソルキーを入力すると、移動はせず、タイルの上にカーソルキーの「→」を置くことになる。ここで重要なのは、置いたカーソルキーは入力しても反応しなくなるということ。つまりこの状態では、もう右方向には移動できないのだ。画面外に表示されている、プレイヤーの入力に反応するインジケーター代わりのカーソルキーも、「→」が無くなっていることが分かるだろう。したがって、タイルの上にカーソルキーを“預けた”状態になるということである。
では例として、このステージの続きを紹介しよう。3つあるタイルのうち、まず右端のものに「→」を預けた状態にあり、残るタイルは上と下にあるふたつ。預けられるカーソルキーは「↑」「↓」「←」だ。解法はいくつかあるが、たとえば上のタイルに下側から向かって行って「↑」を預けると、下のタイルに預けるべきカーソルキーは「→」のみになるため詰んでしまう。また下のタイルに、下側あるいは右側から向かって行きカーソルキーを預けると、上のタイルに到達できなくなることが分かるだろう。
攻略ルートのひとつとしては、上のタイルに右側から向かい「←」を預け、そのまま下に転がって行き、下のタイルに「↓」を預ける形となる。ちなみに、預けたカーソルキーは、同じ方向からもう一度入力することで取り戻すことが可能だ。
*全ステージのウォークスルー動画。ネタバレ注意。
ステージを進むと、パズルはより複雑さを増していく。4つすべてのカーソルキーを預ける必要があったり、ゲーム開始時にすでにカーソルキーをひとつ預けた状態にあったり、あるいは終始使えないカーソルキーが設定されていたり、離れた2地点をワープするポータルを利用する必要があったり。ステージの形自体も複雑になり、どのようなルートを辿ってカーソルキーを預けていけばクリアできるのか頭を悩ませることだろう。
本作は、ゲームデザインなどをYouTubeにて解説する活動をおこなっているGame Maker’s Toolkitが主催する、48時間ゲームジャム「GMTK Game Jam 2020」への出品作として制作された。指定されたテーマは「Out of Control(制御不能)」。開発者のmattmd氏は、操作の自由が徐々に奪われていくシステムを、シンプルなパズルゲームに落とし込むことで、小規模ながらユニークな体験を作り上げたと言える。
『All Out of Controls』は、itch.ioにて無料配信中。なお、GMTK Game Jam 2020には5000本以上のエントリーがあり、こちらのページにて同じテーマをもとに制作された作品を閲覧・プレイ可能。興味のある方はチェックしてみてはいかがだろうか。