主役は“アリ”、弱肉強食の昆虫世界で巣の繁栄を目指すアリシミュレーター『Ant Simulator』

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第181回目は、『Ant Simulator』をピックアップする。

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第181回目は、『Ant Simulator』をピックアップする。『Surgeon Simulator』から始まったシミュレーターゲームのブームもやや落ち着き始めた昨今。クマやネコなどさまざまな動物を題材にした作品が登場したが、本作は昆虫の「アリ」を主役にすえた新たなシミュレーターゲームだ。

昆虫世界で目指せアリの栄華

プレイヤーは1匹の働きアリとなり、自身が所属する住処(コロニー)の繁栄を目指すことになる。基本的な目標は、卵の管理をしながら、女王アリとそ の子どもたちの世話を見ること。地上の世界で集めた食糧を彼らに与えることで個体数が増え、プレイヤーの所属する勢力は徐々に拡大してゆく。ときには巣穴 を掘り広げて機能性を高め、住処を守るため強大なコモリグモなどの外敵と戦わなければならない。

ゲームプレイは一人称視点アクションとなっており、実際のアリのように縦に伸びる植物の茎や巣の壁などを登ることが可能だ。ゲーム開始時には巣の構 築が得意な「オオアリ」や、攻撃力の強い「軍隊アリ」、攻撃回避のための飛び退きができる「大顎アリ」などから操作するアリを選ぶことになり、それぞれが 異なるステータスとアビリティを有している。ジャンプができる「ブルドッグアリ」や、超攻撃型の「弾丸アリ」など、すでにさまざまなプレイアブルアリが存 在しているようだ。

なおゲームプレイ映像を見る限り、『Ant Simulator』はまだまだアルファ版といったおもむきだ。ゲーム目標も「15日以内にアリ個体数を10匹にしろ」といった内容で、まだまだ「アリシ ミュレーター」と名乗れるほどの自由度はないようである。今後はマップの自動生成に加えキャンペーンモードが追加される予定で、さらにはVRヘッドセット への対応も模索しているという。

『Ant Simulator』は、もとはゲームジャム「Ludum Dare」にて制作されたUnity 5製のゲームだ。わずか48時間で開発された同作は8万回近くプレイされ、YouTubeの実況動画(Let’s Play)でも200本以上が取り上げる人気っぷりとなった。開発スタジオEteeskiは過去に何本かビデオゲームをリリースしているが、もし完成するのならば今作が代表作になることだろう。

『Ant Simulator』のリリース時期は明らかにされていないが、Steam(PC)およびPlayStation 4にてリリースされることが明らかにされている。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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