『Hearthstone』に新カードを利用した珍プレイ登場、君が死ぬまでナイフを投げるのをやめない

『Hearthstone: Heroes of Warcraft』にて、どちらかのプレイヤーが死ぬまでお互いを延々と攻撃させるという珍プレイが登場した。“君が死ぬまでナイフを投げるのをやめない”動画がYouTubeで脚光を浴びている。

先月、第2弾となる拡張パック「The Grand Tournament」が解禁されたBlizzard Entertainmentの基本無料オンラインカードゲーム『Hearthstone: Heroes of Warcraft』。新たに追加されたカードの特性を利用して、どちらかのプレイヤーが死ぬまでお互いを延々と攻撃させるという珍プレイが登場した。“君が死ぬまでナイフを投げるのをやめない”動画がYouTubeで脚光を浴びている。

 

「Dreadsteed」と「Knife Juggler」

Dreadsteed
Dreadsteed

YouTubeユーザーThe Optimistic Brit氏が公開した動画の中で、どちらかが死ぬまで“ほぼ”終わらないターンを再現するために使用されたのは、新カード「Dreadsteed」と従来のクラシックパックに含まれる「Knife Juggler」だ。「Dreadsteed」の特徴は、死んだらそのまま蘇るという「Deathrattle」(自身が倒された際に発動する能力)。文字どおり、倒されると別の「Dreadsteed」が召喚される。

Knife Juggler
Knife Juggler

対する「Knife Juggler」の能力は、ミニオンが召喚されるたびにランダムの敵に1点ダメージを与えるというもの。つまり、両プレイヤーがこれら2種類のカードを場に出した状態でヘルス値1点の「Dreadsteed」が倒された場合、別の「Dreadsteed」が召喚されると同時に「Knife Juggler」の能力が発動する。そのナイフ攻撃が相手の「Dreadsteed」に命中し続ける限り、このプロセスは繰り返されるというわけだ。

動画ではその下準備も披露している。まず、Priestの「Mind Vision」(相手の手札からランダムで1枚コピーして自分の手札に加える)でWarlock限定の「Dreadsteed」をパクったら、「Deathrattle」を2回発動させるアドベンチャーカード「Baron Rivendare」を活用して、“死んだら増える”「Dreadsteed」5枚と「Knife Juggler」1枚を用意。

次に、トリガーとなる「Knife Juggler」が途中で流れ弾を食らって死んでしまわないように、クラスカード「Power Word: Shield」(ミニオンにヘルスを2点付与してカードを1枚引く)や「Velen’s Chosen」(ミニオンにアタック2点、ヘルス4点を付与する同時にSpell Damageを1点強化する)、「Divine Spirit」(ミニオンのヘルスを倍にする)でヘルスを56点まで引き上げる。

最後に、任意に選択したミニオンのコピーに化ける「Faceless Manipulator」で強化した「Knife Juggler」を増産する。もう一方のプレイヤーも同様の構成でボードを埋め尽くしたらセット完了。あとはピタゴラスイッチを作動させれば、長い長いロシアンルーレットのはじまりだ。

一方のプレイヤーのライフが0になるまでターンが絶対に終了しないというわけではないが、永久機関の歯車にナイフが詰まって止まる確率は比較的低いといえる。初期の状態でターンが終了する条件は、「Dreadsteed」が1体死んで蘇った際に発動される「Knife Juggler」2体のナイフ攻撃が、両方とも敵の「Knife Juggler」もしくはヒーローに当たった場合。確率は8分の3の2乗。およそ14パーセントだ。

さらに、「Knife Juggler」のナイフが2発とも「Dreadsteed」に当たった場合、次に飛んで来るナイフは4発に倍増するため、この確率は8分の3の4乗になり、たちまち約1.9パーセントにまで下がる。そして4発のナイフが「Dreadsteed」へ当たるほど、次に返ってくるナイフは最大8回まで増える計算になる。プロセスを繰り返すほど継続確率が上がっていく。極限を用いた数式は割愛するが、「Knife Juggler」のヘルスが尽きるまでターンは“ほぼ”終わらないといえるだろう。

お互いのヒーローの残りライフが0になってもロシアンルーレットは終わらない。主人の死体を傍らに「まだ俺のバトルフェイズは終了してないぜ!」と言わんばかりに、「Dreadsteed」と「Knife Juggler」はあの世を馬で横断するダーツの旅をやめようとしない。動画の後半で悠久の闘いがついに幕を閉じる際には、ゲームシステムがそれまでの履歴を記録しきれずにサイドバーがバグっているのが確認できる。こんな大運動会、開発者も全く予想していなかったのではないだろうか。

Ritsuko Kawai
Ritsuko Kawai

カナダ育ちの脳筋女子ゲーマー。塾講師、ホステス、ニュースサイト編集者を経て、現在はフリーライター。下ネタと社会問題に光を当てるのが仕事です。洋ゲーならジャンルを問わず何でもプレイしますが、ヒゲとマッチョが出てくる作品にくびったけ。Steamでカワイイ絵文字を集めるのにハマっています。趣味は葉巻とウォッカと映画鑑賞。ネコ好き。

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