『ポケモンGO』台湾おじいちゃん、装着スマホを約20台増やし64台に。過激化により声援は批判に染まる
台湾在住の『ポケモンGO』プレイヤー陳清波氏がまたしてもスマホの台数を増やしたようだ。複数の台湾メディアが伝えている。71歳にして『ポケモンGO』にハマりまくっている同氏は、自転車に大量のスマートフォンを装着しゲームを遊んでいる。フィールドを歩いて歩数を稼ぐほか、レイドバトルにも使用。経験値とポケモンを荒稼ぎしている。
当初6台だったスマホは15台、22台と徐々に増加。ここでおじいちゃんにさらなる転機が訪れる。同氏の噂を聞きつけた台湾ASUSが、陳氏をアンバサダーに任命したのだ。自社製品のバッテリーの持ちをアピールするには、『ポケモンGO』おじいちゃんはうってつけ。ASUSのハードウェアメーカーのスポンサーをつけた陳氏は、手持ちスマホの台数を倍以上の45台へと増やした。
そして今回、陳氏はさらに約20台のスマホを増やし64台持ちになったわけである。スマホを含めたランニングコストはASUSがサポートしているとの噂。あわせて、自転車の改造も並行して進めている。ただし赤色の自転車にはこだわりがあるようで、この赤自転車を改造し“孔雀化”を進めている。自転車改造の仕組みとしては、列になったスマホ装着棒をいくつも設置することで、台数を増やしているようだ。
一方で興味深いのは、このおじいちゃんの扱いが、現地でも変化しつつあるという点。弊社台湾スタッフに聞いたところ、当初は物珍しさやおじいちゃんのかわいらしさから、現地でも“出会えたら幸運”とアイドル的な存在として見られていたという。しかしながら、そうした扱いがメジャーだったのは、20台程度を運用してきた時期まで。ASUSというスポンサーを得てから過激化をたどるおじいちゃんには、批判の声が寄せられるようになっているという。
『ポケモンGO』においては、ひとりのユーザーが複数アカウントを所持するのは、グローバルに規約違反。同サービスを運営するNianticは、サービス利用規約の中で、不正行為として禁止する事項のひとつとして「本サービスを複数のアカウントによってプレイすること」と定めている。単純にサービス規約違反であるという点は、『ポケモンGO』プレイヤーからあがっていた声である。
そしてもうひとつ、あまりにスマホを増やしすぎた結果、プレイそのものが本格的に危険であると懸念されている。そもそも20台程度の装着も危険ではあるが、64台ものスマホをつけ自転車で道路を運転する姿は、危険そのもの。前方はスマホの間から見えるものの、あくまで隙間から見える景色。またゲームが目の前にあると考えると前方不注意を生みやすい。ゆっくりと移動したとしても、その事実は変わらない。おじいちゃんそのものに怪我のリスクがあるし、道路を利用者する他者にとっても怪我のリスクあり。台数を増やし過激化することで注目を集める一方で、他の人々にもリスクを背負わせているのである。
当初好意的だったYahoo奇摩(Yahoo台湾)における当該記事のコメント欄も、最新記事では規約違反と危険性の両方から、陳氏とそれを面白げに取り上げるメディアを批判する声で埋め尽くされている。物珍しがられていたポケモンおじいちゃんは、スポンサーをつけたことをきっかけに、エスカレートし続けている。彼は自分自身の行為を自制できるのだろうか。少なくとも、スマホの台数を増やすことで事故のリスクが高まり続けていることは、疑いない事実である。