やたらとリアルなゲーム開発SLG『Mad Games Tycoon 2』発表。マスター前の地獄にサーバー運用まで加わり、さらに多彩化するデスマーチ

ドイツのインディースタジオEggcode Gamesは『Mad Games Tycoon 2』を発表した。本作はゲーム制作の現場をやたらリアルに描くシミュレーションゲーム。

ドイツのインディースタジオEggcode Gamesは『Mad Games Tycoon 2』を発表し、Steamストアページを公開した。対応プラットフォームはPCで、2020年第4四半期に早期アクセス配信開始するという。本作は同じくEggcode Gamesが手がけた『Mad Games Tycoon』の続編である。


『Mad Games Tycoon』は、ゲーム会社を経営し、ゲーム開発に携わっていくシミュレーションゲームだ。ゲーム会社運営シミュレーションゲームといえば、カイロソフトの『ゲーム発展国』シリーズがあげられるが、本作は3D描写を用いて、ビジュアル・設定面でよりリアルにゲーム開発現場をシミュレートする。

ゲームをスタートすると、まずはグラフィックやサウンドといったゲーム開発の一部の下請けなどをこなしながら資金を貯めることになる。スタッフを雇いゲーム開発を始めるにしても、スケールの大きなゲーム開発は難しく、下請けをしながらも小さなゲームを時間をかけて完成させていく。ゲームのどの部分に注力するかも需要で、たとえばグラフィックのみを特化させたハリボテ作品をリリースし、メディアからバッシングを食らいながらも徐々にノウハウを溜めよう。開発を外に丸投げしてマネジメントに徹するパブリッシャーになるのもいいだろう。

前作『Mad Games Tycoon』の画像。


前述したように、本作はリアリティをもってゲーム開発をシミュレートする。マスターアップ前にはデスマーチが続きスタッフが疲弊し尽くしたり、新たなゲームを開発する予算が確保できないので完全版をリリースしお茶を濁したり、思い切って自社エンジンを開発してみたものの、すでに業界ではより安価かつ高性能なエンジンが普及し大赤字を招いたり。代わり映えのない続編をリリースし、メディアから批判されながらもしっかりとキャッシュを得たりなど。

またそうした開発を進める中で、ゲーム制作に関わるスタッフの動きをながめることができるのも本作の楽しさ。アイディアに行き詰まり狼狽するプランナーの様子や、マスターアップ前に疲れて娯楽部屋から出ないプログラマー、開発が難航するとトイレの稼働率がやたらと上がるなど、開発風景をただ眺めているだけでもなかなか楽しい。もちろん経営要素も充実しており、開発スタッフの育成や人件費管理など、人にまつわるマネジメントも重要になる。利益を出すことと並行して、業界の流行を探ったり技術投資を進めることも、大ヒットタイトルを作り出すには必要になるだろう。


続編となる『Mad Games Tycoon 2』では、具体的にはビジュアルが変化。より『シムズ』シリーズよりのグラフィックになっている印象だ。スタッフひとりひとりの動きも、より細かく描写されることだろう。部屋のデザインについても、より凝ったものができそうだ。そのほか新要素として、サーバールームが追加されるという。大規模MMOゲームも前作では開発できたが、モバイルゲームを含めGames as a Service型の作品の制作描写がよりリアルになっているのかもしれない。サーバーがダウンしゲームサービスが停止し、パニックになるといった要素も本作なら用意されるだろう。また自社内でパッケージ生産ができるような施設も設置できるようだ。(ゲーム内で)次世代コンソール開発にも対応するという。昨今のトレンドを取り入れた“らしい”ネタが数多く詰め込まれることに期待したい。

Eggcode Gamesは前作を開発したのち、今度はタワー運営に勤しむ『Mad Tower Tycoon』を手がけた。別ジャンルの経営シムを完成させたのち、満を持して続編の開発に着手している。早期アクセスについては最低でも1年は見込んでおり、前作と同様にフィードバックを参考にしながらゲームを磨き上げていく意向。コアとなる要素は実装済みで、ゲーム開発の苦しみはしっかりと味わえる。早期アクセス配信期間中に制作を進め、部屋数を増やしたり、購入できる家具を増やしたり、ゲームバランスの調整を進めていくそうだ。


さらにリアルになったゲーム開発SLG『Mad Games Tycoon 2』は、Steamにて2020年第4四半期に早期アクセス配信開始予定だ。前作は日本語にも対応している。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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