サイバーパンクTPS『FORECLOSED』発表、2021年リリースへ。コミック調ビジュアルで描かれるディストピア社会での逃走劇
パブリッシャーのMerge Gamesは6月12日、イタリアのインディーデベロッパーAntab Studioが送る新作TPS『FORECLOSED』を発表した。海外メディアIGNが主宰する「IGN Expo」のなかで放送されたかたちだ。リリース時期は2021年Q2(4月~6月)を予定しており、対応プラットフォームはPC(Steam) / PlayStation 4 / Xbox One / Nintendo Switchとなっている。
本作はコミック風ビジュアルの中で展開されるサイバーパンク・アクションだ。舞台は、人々の脳にインプラントが埋め込まれ個人がデータ化された近未来。すべての市民が都市システムに接続され、閉塞感のあるディストピアが構築されている。プレイヤーはこの世界を生きるひとりの男となり、管理社会におけるアイデンティティの喪失という問題に立ち向かうことになる。トゥーンシェード調のグラフィックやバンドデシネのように挿入される吹き出しと擬音は、まるでグラフィックノベルをそのまま遊んでいるかのような演出だ。ゲームプレイは物語に沿ってシームレスに進み、ステージごとの区切りやロードがない。これは「コミックをそのままプレイしているような感覚」を与えるためにこだわったポイントだそうだ。
『FORECLOSED』の世界における人々はみな、国によって脳にインプラントを埋め込まれる。社会に参加するための個人情報はデータ化され、そのIDはすべて企業によって売買されるのだ。自らを証明するアイデンティティは企業への「借金」であり、それを維持するべく市民はみな企業に奉仕している。主人公のEvan Kapnosもまたこの世界で暮らし、自身のデータを握る企業のために働く平凡な男だった。ところがあるとき、彼のデータを握る企業がなぜか倒産してしまう。企業の財産が差し押さえられるのと同時に、自身のIDも抵当流れ(foreclosed)として処分されてしまうKapnos。彼は命を狙うエージェントから逃れ、自らのインプラントが競売にかけられる前にこの管理社会を脱出すべく戦うことになる。
Kapnosは脳に埋め込まれたインプラントの特殊な力を使い、多彩な戦闘手段を駆使することができる。たとえば武器となる「Symbiotic Pistol(共生銃)」は彼のインプラントと繋がっており、さまざまなカスタマイズを施せる。通常弾はもちろん、強力なマシンガンに改造することや、逆にステルス向けの静音ピストルに作り替えることも可能だ。さらにKapnosはテレキネシスを使い、大きなオブジェクトを盾にして身を守ったり、敵を持ち上げて叩きつけたりすることもできる。このほかインプラントはハッキング機能も備えており、施設のカメラにアクセスして視界をジャックするほか、敵に埋め込まれたインプラントをハックすることも可能だという。ただしこれらの能力は使いすぎると負荷がかかり、一定量を超過するとスタン状態になってしまう。限られたキャパシティをどのように運用して立ち回るかが重要となりそうだ。また本作はRPGライクなスキル制度を採用しているため、成長して能力をアンロックするほどプレイヤー好みのバトルスタイルを選ぶことができるだろう。
『FORECLOSED』は2021年Q2(4月~6月)にリリース予定。対応プラットフォームはPC(Steam) / PlayStation 4 / Xbox One / Nintendo Switchとなる。