クラウドゲームサービス「Stadia」について、大手メーカーCEOが「過大な約束をし消費者を落胆させた」と評価。しかしサポートは続ける
新作ゲームの発表時に、対応プラットフォームのひとつに挙げられることも増えてきたGoogleのクラウドゲームサービス「Stadia」。同サービスについて、昨年11月の海外ローンチ当初からタイトルを提供しているパブリッシャーTake-Two InteractiveのCEO Strauss Zelnick氏が感想を述べている。
Strauss Zelnick氏は米国時間5月28日、「Bernstein Annual Strategic Decisions Conference」にオンラインで出演し、同社のビジネスについて語った。その中ではStadiaにも言及し、ゆっくりとしたローンチであったと評価。その背景には、Googleは技術的に何を提供できるのかについていくつか過大な約束をしてしまい、消費者は現実に落胆したのだろうと語っている。
Stadiaのローンチまでには、たとえば最大4K解像度でプレイできることがアピールされたが、ローンチ後のレビューでは実際にはアップスケールをおこなっていると指摘された。また、専用のStadia ControllerはWi-Fiに直接接続してプレイできることが特徴だったが、ローンチ当初はChromecast Ultraでプレイした際に限定。PCでのプレイ時にワイヤレス接続できるようになったのは、今年5月になってからだった。そのほか、対応スマートフォンはGoogleのPixelシリーズに制限されている状況である。YouTubeを通じた配信中にクリックひとつで視聴者がゲームに参加できる「Crowd Play」についても、もともと将来的な対応を予定している機能ではあるが、Stadiaならではの特徴を備えずローンチしたと言える。
部分的に物足りない側面を見せてきたStadiaであるが、Take-Two Interactiveとしてはサポートを続けている。ローンチに合わせて『レッド・デッド・リデンプション2』と『NBA 2K20』を提供し、その後『ボーダーランズ3』も追加。先日発表された『マフィア』シリーズ3作品のリメイク/リマスター版も、Stadia向けのリリースが計画されている。これについてZelnick氏は、流通先を拡大させれば、顧客も拡大させることができる可能性があるため、ビジネスモデルが理にかなっている限りは高品質なストリーミングサービスをサポートしていくとのこと。同氏はもともとストリーミングについて楽観的な考えを持っており、今回もいずれストリーミングは機能していくはずだと述べている。
Stadiaは、ローンチ時と同じ欧米14か国にてサービスを展開しながら、タイトルの拡充と機能の充実を続けている。また、当初は有料プランのみが用意されていたが、今年4月には無料プランも追加された。2020年にはさらなる国にサービスを拡大させていくとしていたため、日本でのローンチもそう遠くはないかもしれない。