「ワイルド・スピード」の公式ゲーム『Fast & Furious Crossroads』、プレイ映像が公開されるも酷評
バンダイナムコエンターテインメントヨーロッパは5月27日、『Fast & Furious Crossroads』を現地時間8月7日に発売することを発表した。当初は映画シリーズ最新作「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」の海外劇場公開とあわせて5月に発売される予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、映画公開が2021年4月に延期。同時期配信の計画は見送られ、ゲームの方は8月に延期となった。対応プラットフォームはPC/PlayStation 4/Xbox One。
『Fast & Furious Crossroads』は、映画「ワイルド・スピード」シリーズを題材としたカーアクションゲーム。『Project CARS』シリーズで知られる英国のSlightly Mad Studiosが開発を担当している。ヴィン・ディーゼル、ミシェル・ロドリゲス、タイリース・ギブソンといった映画シリーズの豪華キャストが参加。「ワイルド・スピード」らしい、ド派手なカーアクションを売りとする作品だ。
このたび、発売日の発表とあわせて本格的なゲームプレイ映像が公開されたわけだが、視聴者の期待に沿う内容ではなかったようだ。YouTubeの『Fast & Furious Crossroads』公式、昨年Slightly Mad Studiosを買収したCodemasters公式、PlayStation公式などで映像が公開されており、いずれも低評価多数となっている。The Game Awards 2019にヴィン・ディーゼルとミシェル・ロドリゲスが登壇し、イベントの大トリとして発表した際も、反応は芳しくなかった(アナウンストレーラー)。当時からキャラクターモデルやグラフィックなど品質面での懸念があり、今回のゲームプレイ映像でその不安がさらに高まった形となる。
豪快な爆発、スローモーション、車両の大ジャンプなど、本作の見どころであるド派手な演出を強調したプレイ映像となっている。しかしながら旧世代機向けゲームのような古さを感じさせるグラフィック、ひたすら直進しながら攻撃ボタンを押すシンプルなゲームプレイ、棒読み気味のボイスなど、見る者を不安にさせる要素が多いのも事実。動画コメント欄では、モバイルゲームや2010年代初期のゲームのようだという感想が残されている。
海外メディアDestructoidも、モバイルゲームのつくりをした前世代機タイトルのように見えると、辛辣な記事を掲載。また『Fast & Furious Crossroads』の公式ツイートには、「2020年にPS2のゲームを出すなんて勇敢だよ」「Xbox 360時代のゲームに見える」といった返信が寄せられている。こうしたグラフィック面での悪評を受けて、開発元Slightly Mad Studiosのオンライン・マーケティングディレクターNathan Bell氏は、動画圧縮の影響で実際よりも悪く見えているとツイート。発売日が近づいた際には、その言葉がどれほど正しかったのか検証が進むことだろう。
上の動画は、6月に開催されるオンラインゲームフェスティバル「Guerrilla Collective」に協力するKinda Funnyメンバーの、ライブリアクション動画。「ゲーム・オブ・ザ・イヤー作品の最新映像、楽しみだよ」との前フリから始まり、「持っているAndroidのバージョンが古いから動くかわからないよ」「BAFTA受賞級の演技だ」といったジョークが続いた。原作ストーリー上の矛盾を指摘する場面も。また、近年では「フォントが小さすぎる」と指摘される大作が多い中、本作はHUDや画面に表示される文字がとにかく大きいと褒めている。
そうした冗談は別として、Kinda FunnyのGreg Miller氏は『Fast & Furious Crossroads』について、「思っていたより面白い」もしくは「ひどすぎてかえって面白い」のどちらかであってほしいと語っている。たしかにリアクション動画中は笑いが絶えず。ある意味、複数人で話しながら遊ぶと楽しいゲームなのかもしれない。
5月に入り、新作の最新情報公開や各団体によるオンラインゲームイベントの開催が増えつつある。それらの中には「ゲームプレイ」を十分に見せないことで視聴者を落胆させるケースが散見される。かといって、ゲームプレイを見せればポジティブな反応が返ってくるとも限らない。『Fast & Furious Crossroads』がわかりやすい例だろう。もちろん、実際の出来栄えはゲームが発売されてみないとわからない。『Fast & Furious Crossroads』は、PC/PS4/Xbox One向けに現地時間8月7日発売予定だ。