『Call of Duty: Warzone』PC向け基本プレイ無料版に「SMS認証」導入。チーターたちがうろたえ始める
Infinity Wardは5月13日、バトルロイヤルゲーム『Call of Duty: Warzone』のPC版にセキュリティアップデートを配信。本作の基本プレイ無料版のプレイヤーに対して、ショートメッセージサービス(SMS)を用いた二段階認証を導入した。これは、本作のチート対策としての取り組みの一環であり、どうやらチーターのコミュニティをザワつかせているようだ。
Infinity Wardは、プレイヤーからの報告を促す機能の導入を含むさまざまなチート対策をおこなっており、チーターには厳しく対処。本作の配信から約1か月間だけでも7万人以上を処分し、疑いの段階では容疑者同士をマッチングさせている。しかし基本プレイ無料版の場合、BANされてもまた新たなアカウントを作成し、チート行為を繰り返すことが気軽にできてしまう。そこで導入されたのが携帯電話番号の登録の義務化だ。
このセキュリティアップデート以降にPC版『Call of Duty: Warzone』を無料プレイする場合には、SMSでの二段階認証をおこなうために、Battle.netアカウントに携帯電話番号を登録する必要がある。これは、秩序を乱す存在を減らし、全プレイヤーにとってポジティブなコミュニティ体験を確かなものにするためとのこと。分かりやすく言うと、BAN処分されたチーターのゲームへの復帰を防ぐためだろう。
BAN処分を受けたプレイヤーは、また同じ番号で新規登録しようとすると弾かれ、適当な番号を入力すればSMS認証をクリアすることができない。ふたたび本作を無料プレイするなら、新たな携帯電話番号を入手するしかないわけだ。SMS認証は、『PUBG』にも先日から導入されており、その目的はランクマッチによりフェアな環境を提供することとしているため、狙いは同じだと言えるだろう。また同作では、アカウントが他人に乗っ取られることを予防するためにも活用されている。
本作に対応するチートツールの売買がおこなわれている、とあるフォーラムを覗いてみると、20回以上アカウントを作り直してはチート行為をおこなってきたというプレイヤーが、新たな携帯電話番号が求められもう無料プレイのためのアカウントを作ることができないと嘆く様子が見られる。もっとも、この人物はチート行為が検知されたとしてツールの制作者に怒りの矛先を向けている。これに対して制作者は、上手くやれば見つからないと述べるにとどまっており、二段階認証への対策は示せていない。
もちろん、新たな携帯電話番号を手に入れればふたたびプレイは可能だが、それには手間とコストがかかるだろう。別のフォーラムでは、「チートでキッズを殴り倒したいがためにトラブルを抱え、そしてそんな面倒なことをしてまで登録し直すような価値が本作にはあるのか。そもそも本作はそんなに楽しいのか」といった自問自答するような声まで出ているという(Eurogamer)。
Redditでは、国によってはプリペイドSIMが格安で購入できるため、チート対策としての効果は限定的だろうという意見も見られる。確かに、ツールを購入してまでチート行為に手を染めている人は、そうしたSIMの出費程度は気にも留めないかもしれない。一方で、SIMの購入・登録作業を含め、BANされるたびに面倒な手続きを繰り返さなければならないことで、本作を敬遠するチーターが現れる可能性もあるだろう。いずれにせよ、今回の対策にてチーターを完全に排除できるわけではないことはInfinity Wardも理解しているはず。今後のさらなる取り組みが期待されるところである。