『テラリア』開発者、制作中止となった『Terraria: Otherworld』をオープンソースでリリースすると発言。ただし“署名が集まれば”
『Terraria』シリーズを手がけるRe-LogicのCEOであるAndrew Spinks氏はDiscordコミュニティ内で、開発中止となった『Terraria: Otherworld』をオープンソース化することを示唆した。ただし条件があるようで、10万の署名と15ドルが必要なのだという。幻の作品のリリースの可能性にコミュニティは湧き立ち、早速署名活動が開始されているようだ。PC Gamerが報じている。
『Terraria: Otherworld』は、2015年2月に発表された新作。『Terraria』シリーズの特徴である2Dサンドボックス要素は受け継ぎつつも、「Otherworld」と題されているとおり、本編とは雰囲気が異なるダークファンタジー色が強い世界が舞台となっており、グラフィックもよりファンタジーに。ストーリーテリングにも力を入れた作品として制作が進められ、ゲーム内には明確な目的が設定されており、目的を達成していく構造の作品として開発されていた。
しかしながら『Terraria: Otherworld』は、発表以降前途多難であることを伺わせた。具体的な発売の目処がたったことはなく、発表されてから2年後にはRe-LogicとEngine Softwareが共同で進めていた開発体制を、コンソール版の移植を担当していたPipeworksへと変更。高品質なタイトルを生み出すために妥協はできないゆえの結果であるとコメントし、開発がスムーズに進まない苦しさをにじませていた。
そして2018年4月にはRe-Logicはついに同作の開発中止を発表。開発初期にタイトルを発表したことや、外注に頼ろうとしたことを反省点としてあげつつ、『Terraria Otherworld』に実装予定であったコンテンツを、『Terraria』1.3.6へ実装すると発表していた。ちなみに1.3.6は規模が大きくなりすぎたことで、1.4へと変更。1.4にあたるのが、5月16日に配信されるアップデート「Journey’s End」。つまり、『Terraria: Otherworld』のエッセンスは16日のアップデートにて『Terraria』に加えられることになる。
そして今、日の目を見ずに消えていくこととなった『Terraria: Otherworld』が、復活する可能性が生まれているのだ。署名活動の発起人であるFrank Jewell氏は、「15ドルは俺が負担するので、みんな署名してくれ」と呼びかけている。またオープンソース化されることで、Modderや開発者達がゲームを“改造する”可能性を指摘。非公式ながらゲームが完成するかもしれないと希望を抱いている。Modコミュニティが盛んな『Terraria』コミュニティにおいては、こうした望みも見果てぬ夢ではないだろう。
PC Gamerは改めて、オープンソース化の可能性についてRe-Logicに尋ねたところ、「10万署名が集まってどうなるかはわからない」としつつ、「15ドルという条件もクリアしなければいけない」とジョークをまじえて答えたという。実際にオープンソース化されるかどうかはまだ不透明であるが、『Terraria: Otherworld』の遺伝子を引き継ぐ「Journey’s End」がリリースされれば、幻の作品は世に出しやすくもなるだろう。ひとまず10万を目指す署名に参加してみてはいかがだろうか。もしかすると、幻の『Terraria: Otherworld』が、再び日の目を見ることになるかもしれない。