Nintendo Switch版『Indivisible』海外にて配信開始するも、開発者困惑。情報が共有されておらず、古いビルドだと不満げ

パブリッシャーの505 Gamesは4月28日、アクションRPG『Indivisible』のNintendo Switch版を海外で配信開始した。ただ、今回の配信については、本作の開発者さえも驚かせることとなったようだ。

パブリッシャーの505 Gamesは4月28日、アクションRPG『Indivisible(インディヴィジブル 闇を祓う魂たち)』のNintendo Switch版を海外で配信開始した。本作は、対戦格闘ゲーム『スカルガールズ』で知られるLab Zero Gamesの新作だ。PCおよび海外PS4/Xbox One向けには昨年発売されており、ついにNintendo Switchでもプレイできることとなった。

ただ、今回の配信について505 Gamesからは事前の発表はなく、ニンテンドーeショップに突然現れた形でのサプライズリリースだった。これにはファンだけでなく、本作の開発者さえも驚かせることとなったようだ。

Lab Zero GamesのリードデザイナーMike Zaimont氏は4月28日、Nintendo Switch版『Indivisible』が北米で配信開始したことを報告。ただ、上述したように事前の発表がなかっただけでなく、この日に配信することを知らされていなかったのは開発チームも同じだったという。同氏は、ファンからリリースを祝福するメッセージを受け取ったことで初めて知ったとのことで、複雑そうな表情を浮かべている。

Zaimont氏はさらに、配信されているのは古いビルドであるとも述べている。本作のほかのバージョンには協力プレイやニューゲームプラスが今月初めに追加されており、Nintendo Switch版にはこれらを最初から収録する予定だった模様。しかし、同氏が(自腹で購入して)チェックしたところ収録されていなかったという。

ほかにも、ニンテンドーeショップに掲載されているアートワークは予定していたものとは異なるとし、事前のプロモーションが一切おこなわれなかったことを含め、これはLab Zero Gamesの基準に満たないクオリティのローンチであるとして、ファンに謝罪している。

https://twitter.com/505_Games/status/1255212885258584066

Mike Zaimont氏のツイートから約10時間後の4月29日、505 Gamesは本作を欧米で配信開始したことを初めてアナウンス。そして、突然のサプライズ配信となった背景を公式サイトで説明した。同社によると、Nintendo Switch版はもともと5月初旬に配信予定だったが、予期しなかったいくつかの事情により配信が早まったのだという。また、30fps固定設定の追加やGPU/CPUのさらなる最適化、スプライトの修正、TVモードでの1080p出力対応を、近く配信するアップデートにておこなうとしている。その際には、ペットキャラクターのロティを購入者全員にプレゼントするとのこと。

これに続いて、情報を受け取ったというZaimont氏もコメント。古いビルドが配信されたと述べていたが、予定していたいわゆるDay1パッチの配信が遅れているだけで、実際には正しいビルドだったことが判明したそうだ。ただし協力プレイやニューゲームプラスは、そのパッチ以降の追加になるという。同氏は、後日追加するよう急遽計画が変更されたことを示唆。ただ、移植担当メーカーはよくやってくれており、また任天堂のせいでもないとコメントしている。

本作の配信開始が早まった“予期しない事情”とは何だったのか、505 Gamesは明らかにしていないが、Zaimont氏のコメントからは同社側の都合によるものだったことがうかがわれる。とはいえ、事前に配信日を発表できないままローンチを迎えるというのは、同社としても望まない事態だっただろう。結果的には、Zaimont氏が声をあげたことで多くの注目を集めることとなり、本作のリリースが広く知れ渡ることとなった。

なお、本作のNintendo Switch/PS4向け日本版は、『インディヴィジブル 闇を祓う魂たち』としてスパイク・チュンソフトから7月16日に発売予定となっている。本作はすでに日本語に対応しているが、同社がさらに監修をおこない、豪華声優陣による日本語ボイスも追加収録する(関連記事)。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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