『CoD:Warzone』『CoD:MW』に“チート容疑者同士で戦わせる”システムが導入される。不正を防ぐ新たな対策として
Infinity Wardは4月22日、『Call of Duty: Modern Warfare』(以下、CoD: MW)に向けて追加コンテンツを配信開始した。プレイリストが更新され、新たに2種のマルチプレイモードが復刻。また、新オペレーターRoninを含むバンドルセットの販売も開始されている。これらはシーズン3におけるアップデートの一環として追加された形だ。その中で、同作にてチート容疑者同士で戦わせるシステムが導入されることが発表された。
シーズン3の期間中にはゲーム本編のみならず、バトロワモード/作品である『Call of Duty: Warzone』向けにも新要素が追加予定となっている。その一環として、先日には4人1組で戦える「Squad」モードが追加された。こうして頻繫にアップデートが重ねられていることもあり、ますます盛り上がりを見せる『CoD: MW』ならびに『Call of Duty: Warzone』。一方で、プレイヤーにとって早急な改善が待たれる部分も少なからず存在する。
A playlist update is rolling out now across all platforms:
– Added Cranked (replaces Drop Zone)
– Cabin Fever 24/7 (Shipment, Rust, Shoot House, Hackney Yard, and Hideout)
– Removing Stir Crazy playlist
– Removing Realism Ground War
– Removing Aniyah Palace from Ground War pic.twitter.com/MB6Iryg8gf— Infinity Ward (@InfinityWard) April 21, 2020
そのうちのひとつとして、やはりチート利用者の存在は無視できないだろう。『CoD: MW』のコミュニティにおいては近ごろ、不自然なキルカムシーンを収めたビデオクリップが投稿され始めている。いずれの投稿者もチーターの仕業だとして、reddit掲示板などに報告を寄せているのだ。ありえない速度で次々とヘッドショットを成功させるもの。遠方から正確無比に撃ち続けるもの。その内容はさまざまであるが、共通して見られるのは不自然なエイム動作。いわゆるエイムボットの利用が疑わしいプレイヤーの姿が確認できる。
ただしチート利用者の存在については開発元も把握しているようで、今月14日にはすでに7万以上ものアカウントをBANしたとの報告を寄せていた。また今後運営をおこなっていくうえでフェアプレイの実現を最優先事項に置くことを前に、改めて不正ツール使用者に対するポリシーおよび具体的な取り組みも明かしていた。厳重なデータ調査による24時間の監視。エイムボットやウォールハックの検知。そしてレポート手順の簡易化など、さまざまな形でチート対策を講じているようだ。
しかし悪質なプレイヤーはシステムの穴をくぐり抜けるのか。はたまた別のアカウントを作成するのか。redditコミュニティに寄せられる報告を見る限り、未だチート利用者の撲滅までには至っていないようだ。その理由としてredditユーザーのなかには、前述した開発元の報告には『Call of Duty: Warzone』のプレイヤーしか含まれていないことを指摘するものもいる。同モードは基本プレイ無料作品でもあり、有料の本編を持っていなくともアカウントの生成は可能。つまりBANされた7万のアカウントはすべて『Call of Duty: Warzone』のみをダウンロードするプレイヤーのことを指しており、『CoD: MW』本編に蔓延るチーターは未だ対策しきれず残っているのではないかとする見方だ。
確かに開発元の寄せたBAN報告では、『CoD: MW』本編に関する言及はされていない。またコミュニティに寄せられる不自然なキルカム映像のなかには「Kill Confirmed」など、本編のマルチプレイモードにて被害(疑わしいキル)に遭う様子も確認できる。これらのことを踏まえると、まだまだチート利用者が残っている可能性は高いだろう。そんななか『CoD: MW』および『Call of Duty: Warzone』ユーザーのあいだでクロスプレイ機能をオフにする動きも見られる。実際にオフにしたプレイヤーの数こそ不明なものの、投稿された前述の映像のコメント欄を伺う限り、多くのコンソール版ユーザーがPC版プレイヤーとの接触を避けたがっている印象だ。さらにクロスプレイをコンソール機のあいだのみに限定してほしいとの声も見受けられ、PC版ともマッチング可能な現在のクロスプレイ機能そのものに対する批判も飛び交いつつある。
そしてこうした声を受けてか、開発元のInfinity Wardは本日Twitterにて、改めて不正ツール利用者に対する取り組みを明かした。その内容は前回の報告とは異なるものとなっており、本日より開始されたいくつかの具体策が公開されている。そのうちのひとつには、なんとチート容疑者はチート容疑者同士でしかマッチングできない仕様にするというユニークな対策が掲げられている。そのほかセキュリティアップデートの実施や、報告に協力したプレイヤーへのBAN通知システムなども実装したという。さらに近いうちには、悪質なプレイヤーをいつでも報告できるよう、キルカム画面や観戦モードにも報告機能を追加するようだ。
— Infinity Ward (@InfinityWard) April 22, 2020
数多のゲーム作品において永遠の課題ともいえるチート問題。PvPタイトルでは特にその影響は大きく、前述したように『CoD: MW』においては一部ユーザーからクロスプレイ機能の制限を求める声さえあがり始めていた。しかし多くのプレイヤーはもちろん、開発元にとっても折角実現したクロスプレイに制限を設けるのは避けたいところであろう。そんななか今回Infinity Wardが掲げた“チート容疑者同士のマッチング”は、健全なプレイヤーを被害から守る妙案とも言える。今後このシステムが功を奏し、一刻も早く悪質なプレイヤーはそうしたプレイヤー同士で空虚な戦いを繰り広げてもらいたい。
なお悪質なプレイヤーを見かけた際の報告手順については、ソニー公式ページ『CoD: MW』「不正な行為を通報する機能について」をぜひ参照して頂きたい。