『あつまれ どうぶつの森』で「ポケモン金銀」の世界再現。クオリティはもちろん、作者の愛がまぶしい

『あつまれ どうぶつの森』にて、『ポケットモンスター 金・銀』の世界を再現するユーザーが現れた。YouTuberのヒノッチ氏は、『あつまれ どうぶつの森』内にジョウト地方の懐かしの光景を再現。再現におけるクオリティも秀でているが、その「ポケモン」愛に詰まった内容が、注目を集めている。

『あつまれ どうぶつの森』にて、『ポケットモンスター 金・銀』の世界を再現するユーザーが現れた。YouTuberのヒノッチ氏は、『あつまれ どうぶつの森』内にジョウト地方の懐かしの光景を再現。再現におけるクオリティも秀でているが、その「ポケモン」愛に詰まった内容が、注目を集めている。

Image Credit : ヒノッチ / 任天堂 / ポケモン

ヒノッチ氏は、本作のマイデザイン機能を用いてドット絵ベースでジョウト地方を表現。路線が特徴のコガネシティに、花壇や噴水が優しいしぜんこうえん。フィールドにおいては、アイテムやきのみ、そしてNPCまでもがドット絵で表現されている。面白いのは、場所だけでなくシーンも再現されていること。ウソッキーが道を塞ぐ“あの場面”も登場し、ジョウロをかけることで道をひらくことに成功。カントー地方進出シーンは、他シチュエーションをまじえながら大滝を演出。赤いギャラドスの姿も。道を塞ぐカビゴンについては、オカリナを吹くが目覚めない(ポケモンのふえではないから?)という、コミカルな演出も導入されており、視聴者を飽きさせない。

デザインのクオリティはさることながら、ヒノッチ氏が粋なのはそうしたマイデザインをすべて配布している点だ。完成度の高いデザインは日々生み出されているが、すべてが配布されているわけではない。このたびヒノッチ氏は、全面的な配布を決断。作者ID(動画内3:00~より表示)を入力することで、47種類に分けられたデザインをエイブルシスターズの右上にあるマイデザイン・ショーケースから一挙ダウンロード可能。このはからいにより、ヒノッチ氏のジョウト地方の再現を見るだけでなく、ユーザーもまたジョウト地方のデザインを演出できるようになった。草むらを敷いてみるのもいいし、水面を演出してもいいだろう。カビゴンだけ置いておくというのも面白いかもしれない。さっそくこのデザインを島に取り入れているユーザーの姿も確認できる。

https://twitter.com/cub__boon/status/1250267312508170241

47種類という物量やクオリティ、そして動画演出。いずれも並々ならぬ熱意や愛情、そして優しさが感じられる本デザイン。生まれた経緯や動機について気になることだろう。ヒノッチ氏に実際に話を訊いてみた。まず、このデザインを作ろうと思ったきっかけについて。きっかけとしてはまず、噴水というアイテムの存在を知り、ここからジョウト地方の「しぜんこうえん」を連想したという。そこの再現から始まり、今作では所持出来るマイデザインの数が大幅に増えたことから、草むらのみならず街並みまで島に「まるごと大好きなポケモンの世界を取り入れられるのではないか」と思い、実行に移ったそうだ。

実施にあたっては、『ポケットモンスター 金・銀』作中内で特に印象深い部分を可能な限り散りばめようと考えたという。たとえば、コガネシティにあるリニアの線路を思う存分走り回るのが小さな夢でもあり、これも形として落とし込んだ。『ポケットモンスター 金・銀』のジョウト地方をテーマにしたのは、ヒノッチ氏自身が初めてプレイしたポケットモンスターシリーズであり、とても大切な作品・場所だからだという。作業時間としては、1週間半ほどかかったそうだが、どの作業も楽しんだともコメントしている。

Image Credit : ヒノッチ / 任天堂 / ポケモン
Image Credit : ヒノッチ / 任天堂 / ポケモン

デザインについては、ゲーム画面の目コピのものから資料を参考にしたものまであるとのこと。一番大変だったのは「くさむら」だったのだとか。「くさむら」を最初に作り始めたものの、ドット入力画面での色と実際に地面に貼り付けた際の色味が大幅に異なり、原作により近い色を確立するのになかなか時間がかかったとのこと。ただ真似るだけでは、再現できない。そこにはさまざまな工夫が詰め込まれているのだろう。一番注目してほしいデザインとしては、同氏が身にまとっているヒノアラシをモチーフにした「ひねずみコーデ」であるとも、語ってくれた。

なお、マイデザインについては、配布することを考慮して制作していたのか訊いてみたところ、イエスとの回答。配布を機に『ポケットモンスター 金・銀』をテーマにした島が生まれたら嬉しいと思い、配布を考慮していたとも付け加えた。また単体でも気軽に「とおせんぼ」気分を味わえるよう、カビゴンは背景透過版も用意されているとのこと。ヒノアラシモチーフの衣装に関しては、配布について考えていなかったものの、多くのリクエストをもらい急遽配布を決めたという。「勢いだけで作った完全オリジナルなものだったので、まさか欲しいという声があると思わず大変嬉しい気持ちでいっぱいです。」とも照れながらコメントした。ヒノッチ氏のシンボルであるヒノアラシデザインのコーデは、動画においても目を引くキュートなポイントだろう。最後に、ヒノッチ氏にとって「ポケモン」がどういうものなのかを尋ねてみた。回答は以下のとおり。

私にとってポケモンは人生です!生きる上での原動力、いつもポケモンが傍にいるから頑張れる、かけがえのない存在です。ポケモンという存在に、感謝の念に堪えません。

 

ヒノッチ氏はもともと、「ポケモン」愛ほとばしるインフルエンサーとしても有名。同氏のチャンネルを見ても、壮観に「ポケモン」コンテンツが並べられている。どの動画にも共通するのが、「好き」があふれている点だ。進行役のヒノアラシと共にヒノッチ氏が「ポケモン」の新商品や施設をとにかく楽しげに紹介する様子は、なんともあたたかい。まぶしささえ感じられるほどだ。また同氏は、かつてCanCamにピカチュウマニアの家として紹介された過去もある。今回の『あつまれ どうぶつの森』におけるジョウト地方再現は、その愛の延長線上に生まれたものであることに疑いないだろう。単なるコピーではなく、ヒノッチ氏なりの愛の込められたアレンジでもあるのだ。

Image Credit : ヒノッチ

『あつまれ どうぶつの森』のヒノッチ氏によりジョウト地方デザインは、同氏の作者ID(YouTube動画内3:00~)をエイブルシスターズのマイデザイン・ショーケースに入力することでダウンロード可能。自分の島にも、ジョウト地方デザインを少し取り入れてみると、ちょっとしたアクセントになるかもしれない。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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