怪奇ホラーゲーム『The Open House』itch ioにて無料公開中。都市伝説じみた呪いのオープンハウスシミュレーター

アメリカのインディーゲームデベロッパーcorpsepileによるホラーゲーム『The Open House』がitch.ioにて公開中だ。『The Open House』は、ノースツリー不動産の公開している最先端のオープンハウスシミュレーターだ。

アメリカのインディーゲームデベロッパーcorpsepileによるホラーゲーム『The Open House』がitch.ioにて公開中だ。対応プラットフォームはPC。ゲームエンジンはUnity。プレイヤーが値段を決めて作品を購入するName your own price形式が採用されており、無料でもダウンロード可能。ブラウザでのプレイにも対応している。

『The Open House』は、ノースツリー不動産の公開している最先端のオープンハウスシミュレーターだ。個人のデジタルデバイスから快適に体験できるオープンハウスを謳い文句に、ナノドローンによって撮影された数千の画像から自由に探索できるバーチャルな家を作成。内覧から購入まで、21世紀の住宅購入プロセスが実現されているという。

アルファテストプログラムの参加者としてプログラムを起動すると、かなり粗い画質のスーツ姿の男が、ノースツリー不動産のエージェントとして登場。彼の解説を聞いた後、未来のオープンハウス体験が始まる。今回案内してもらうのは、ホローオークレーンにある、3つのベッドルームと2.5のバスルーム、広さ2388平方フィート、38万5000ドルの2階建て一軒家。新しく開発中の郊外に位置しており、2台分の駐車スペース、レンガの暖炉、フローリングの床、吹き抜け、近くにはショッピングスポットもあるそうだ。

室内はモダンな作りとなっており、玄関から続く廊下を抜けた先には、広々としたキッチンが待ち受ける。庭にシャベルが突き刺さっているのはなにかのミスだろう。そのほか、1階には大きなテレビの前にソファの置かれたダイニングとガレージ、トイレ。2階には専用のバスルームが付いた大きな寝室、書斎、子供用の寝室、2台の洗濯機が置かれたランドリー、バスルームがあった。

一見、何の変哲もない家のように思えるが、エージェントの解説を聞きつつ見て回っていると、何やら様子がおかしい。オープンハウス用に置かれた家具にしては生活感があり、探索中には物音が聞こえたり、ダイニングの椅子が倒れていたり、誰かに見られているような気さえする。家の中を隅々まで見ていくと、違和感のある箇所があり、そこをクリックすることでゲームが進行。グリッチ風の演出と共に、オープンハウスが真の姿を見せる。

本作は、雰囲気重視のホラー作品である。オープンハウスシミュレーターとしての設定がしっかり生かされていて、少しずつ狂気の世界が描かれていく。化け物と銃撃戦を繰り広げるシーンなどは用意されておらず、インディーホラー作品としては遊びやすさにも気を配られているため、そういった点では安心してプレイできることだろう。

日本語には対応していないものの、長文の英語が登場するのは冒頭のプログラム解説と、エージェントによるメッセージ程度で、英語が苦手なプレイヤーでも十分にプレイ可能。プレイ時間は30分程度。呪われたオープンハウスシミュレーターといったところの、都市伝説めいた体験が短い時間でまとまっていた。

本作を開発したAL.EXE氏は、アメリカ・ミネソタ州に住み、短めのホラーゲーム作品を作っている人物。itch.ioでは、白黒のショートフィルムのような『RUN TO NOWHERE』。ガレージを舞台に、シャッターを閉めようとしているうちに何かが起こっていく『make sure it’s closed』など、合計4本を公開している。また、『The Open House』は、PC向けの作品としてitch.ioにて公開中。プレイして気に入った場合には、開発者へのお布施もできる。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

Articles: 2515