犬育成シミュレーション『Dog Trainer』発表。子犬から成犬まで、相棒と苦楽をともにする本格育てゲー
ポーランドのパブリッシャー・Frozen Districtとデベロッパー・Moonlitは3月23日、「国際子犬の日」に合わせて育成シミュレーション『Dog Trainer』を発表した。プレイヤーは理想の犬を生み出し、子犬から成犬に育つまで生活をともにすることができる。配信プラットフォームはSteamを予定しており、発売予定日は今後明かされるとのこと。
本作は自分だけの犬をお世話し、しつけ、絆を深める育成シミュレーション。ゲームはまず生まれてくる子犬の詳細を設定するところから始まる。犬種や性別はもちろん、数百を超える項目をカスタマイズすることで唯一無二の相棒を生み出すことが可能。ただし1つだけプレイヤーの手で操作できない要素がある。それは生まれてくる犬の性格だ。外を駆け回りアクティブに活動する元気っ子か、それともソファでゆっくり飼い主と横たわるのんびり屋になるかは選択しだいになるという。
望みどおりの子犬を抱き上げたら、いよいよパートナーとの生活の始まりだ。ゲーム内では実際に犬を飼うのと同じようにさまざまなケアを行う必要がある。餌をやり、風呂に入れ、毛づくろいをしてあげよう。しつけも重要な要素であり、いたずら好きな子どもに対して手を焼かされる場面もあるはずだ。どうやら子犬のヤンチャぶりはかなりリアルに再現される模様。トレイラーではボロボロに傷んだソファや足跡まみれの壁紙など、これから犬を飼う人に見せるにはどうかという悲惨な部屋も映し出されている。ペットは常に飼い主の存在をそばに必要とするため、プレイヤーは「犬を飼う」ことがいかなる困難を伴うかを体験することになるだろう。
育成要素の1つとして、飼っている犬に芸を教えこむことも可能。「お手」「伏せ」「おすわり」といった定番の基本技はもちろん、優れた指導をすればさらに高度でアクロバティックな芸当を習得させることもできる。教え子の信頼を勝ち取り、より効果的なトレーニングをする鍵となるのは「ごほうび」の存在だ。子犬が成功や失敗を繰り返すあいだ、いつ・どのようにごほうびのオヤツを与え、褒めて伸ばすか。トライアル&エラーのなかでもっとも相性のいい教育方針を見つけることが、芸を習得させるうえで重要な要素となりそうだ。
また、我が子を自分好みのアクセサリーで飾りたててあげることもできる。首輪やハーネスといったベーシックな装身具に加え、タキシードにシルクハットといった個性的なお洋服も用意されている。紹介動画ではスノーゴーグルのような、現実ではあまりお目にかかれないアイテムも確認できた。ハロウィンのクモ衣装などシーズンものコスチュームも登場するようで、季節を通じてパートナーとの生活に華を添えてくれそうだ。
さらに強い絆を深めれば、相棒の犬を数々のコンテストに参加させることが可能。もし運動能力に才を見出しているなら、「アジリティ」競技でその力を発揮させるといいだろう。いわゆる障害物競走で、ハードルやトンネル・平均台などを鮮やかに駆け抜けるスピードでトップランクを目指す。また身体能力で争う競技会だけでなく、外見の美しさを競い合う品評会で高みを目指す道も存在するそうだ。トロフィーやメダルを獲得すればするほど、さらに高度なチャンピオンシップが登場する。勝利の証がずらりと棚に並べば、飼い犬との絆をいっそう強く感じられることだろう。
『Dog Trainer』を手がけるMoonlitの設立者であるMichał氏は、自身が飼うボーダーコリー犬、Miloとの生活に根ざした思いをベースに本作を開発しているという。どこへ行くにもMiloと一緒で、オフィスにすら彼を連れてきているという同氏。筋金入りの愛犬家でありながら、同時にゲームデベロッパーとして生計を立てるなかで「犬を育てることの真の困難をシミュレーションするゲームが存在しない」ことに気がついたそうだ。Miloのお世話が人生の一部であり、日常で生じるすべての感情の源だというMichał氏は、そのような体験をゲームに持ちこむことを目指して開発に取り組んでいる。
犬の育成ゲームといえばかつて任天堂が世に送った『nintendogs』シリーズが大家として名高い。しかしながら、犬好きゲーマーのなかには同作が「子犬」しか育成できないことに落胆を覚えた人も少なくないのではないだろうか。『Dog Trainer』の犬は飼い主と過ごした時間とともに成長する。またリアル愛犬家の開発者が手がける、カワイイだけではない飼育の苦労と喜びのシミュレーションにも期待したいところだ。本作はPC(Steam)に対応予定で、リリース予定日はまもなくアナウンスされるとのこと。