『ディビジョン2』敵の体力&攻撃力が高すぎる問題の解消を目指す。脱バレットスポンジ&ビルド多様性確保へ

『ディビジョン2』DLC配信後の、敵体力&攻撃力が高すぎる問題の解消を目指すと開発者が発信。脱バレットスポンジ&ビルド多様性確保へ。『ディビジョン2』では、3月上旬に「ウォーロード オブ ニューヨーク」DLCが配信され、先日シーズン1が開幕した。

Ubisoftは3月11日、『ディビジョン2』の開発者ライブストリーム「State of the Game #151」を配信。現在コミュニティ内で問題視されている難易度バランスを、今後のアップデートで調整していく意向であることを明かした。同作では、3月上旬のタイトルアップデート8および大型拡張コンテンツ「ウォーロード オブ ニューヨーク」の配信以降、有効なビルド幅の狭さや、敵をキルするのに必要な時間(TTK=Time To Kill)の大幅アップといった変化が、懸念材料としてプレイヤーから指摘されてきた。そして今回の放送では、難易度に関連する課題が以下の3点に分けて説明された。

・高難易度帯におけるバランス調整の問題
・Co-op時のスケーリングの問題
・ダークゾーン固有の問題

まずは高難易度帯におけるバランス調整について。ここで主な議論の対象になっているのは、敵の体力と攻撃力についてである。現状、ハード難易度までは開発陣の想定に近いバランスであるが、チャレンジ難易度は想定よりも「やや難しめ」の調整状態になっているとのことだ。というのも、テスト段階では「強化しきったビルド」を念頭に置いてバランス調整を行っていたという。その調整の仕方だと、チャレンジ難易度を突破する上で使い物になるビルドの種類が限られてくることに、当時気づけなかったと説明された。現に高難易度帯における有効ビルドが、攻撃特性全振りビルド一択になりつつあることも認識していると伝えられた。

敵を倒すのに時間がかかる一方で、味方のアーマーは一瞬で溶けてしまう。アーマー値を増やしても大差がないため、アーマー特性に振るくらいならば、武器攻撃特性に特化してしまった方がよい。武器攻撃とスキルのハイブリッドも活躍しづらく、必然的にビルド幅は狭まってくる。そこで開発陣は、チャレンジ難易度を「適度に」調整する予定。TTKをやや短くし、敵から受けるダメージ量を抑えることで、アーマービルドや「2・2・2」ビルドを復活させたいとのことだ。なお開発陣は「レジェンダリー難易度のサポートステーション」に関するGIFを見たよ、とも伝えていた。敵兵・敵ガジェットの過剰な体力増加を端的に示す、以下のGIFのことだろう。

Legendary Support Station btw
byu/Techno753 inthedivision

2つ目の課題は、Co-op時のスケーリングである。ここは1つ目の課題とも関わってくる部分だ。同作ではパーティー人数に応じて敵の体力・攻撃力が変動するようになっており、特にエリート/名前付きの敵に関しては、複数人パーティー時に体力が大幅に上昇する。現状、1~2人パーティーに比べて、3~4人パーティー時のスケーリングが過剰気味となっており、弾倉を何個空けても倒れない、敵のバレットスポンジ化を深刻なものにしている。現在ゲームが抱えている難易度の問題は、高難易度帯のバランス調整とCo-op時のスケーリングによる複合的なもの。何発撃ち込んでも敵が倒れないのは、誰にとっても楽しい体験ではないと開発者も理解を示している。

ただし、「ゲームが難しい」という声が寄せられていること自体は、喜ばしい傾向だとも説明されている。タイトルアップデート7で簡単になりすぎたことが開発陣の悩みとしてあり、難しくしたいという意図はあったようだ。とはいえチューニングがやや過剰気味であったため、今後軟化する予定。またヒロイック難易度に関しては、ハードコア層向けの挑戦という位置付けであってほしいため、わずかな難易度調整にとどめるという。レジェンダリー難易度も同様に、あまり変えたくないとのことだ。難易度単位の調整ではなくCo-opスケーリングに関して言えば、難易度を問わず調整の影響が出るため、今3~4人パーティーでのヒロイック/レジェンダリーミッションに苦戦している方は、今後のアップデートによって少し楽になるだろう。そのほかウォーハウンドのように、特に火力の高いNPCに関しては、個別に対応するという。

シーズン1のスケジュール表

3つ目の課題は、ダークゾーン固有の「TTKが短すぎる」問題。PvEコンテンツとは逆に、PvPにおいてはプレイヤー間のTTKが極端に短いため、調整が予定されている。TTKが短すぎると、銃で撃った方が速いためスキルビルドが機能せず、PvP用のビルド幅を狭めてしまうという。こちらも今後のアップデートで状況が変わっていくことだろう。なおレイドのバランスに関しては、他のコンテンツとは別調整のため、今回挙げられた3点の課題には含まれていない。気になるバランス調整の時期に関しては、「できるだけ早く(ASAP)」とのみ伝えられており、判明していない。ただし「今度は簡単になりすぎた」といった極端な結果を生まないよう、1回ではなく複数回のアップデートにより微調整していく案を検討しているという。

以上が『ディビジョン2』の難易度に関する課題点である。ほかにもコミュニティ内では、戦利品品質に関する議論が交わされており、開発陣も今回の配信で言及している。ワールド上のコンテイナーに含まれる戦利品は難易度による影響を受けないため、上級(紫色)のアイテムがドロップし得るが、チャレンジ難易度以上の敵がドロップする戦利品に上級品が含まれていた場合は、報告してほしいとのことだ。

また先日開幕したシーズン1のマンハントに関しては、進行途中でグローバル難易度を変えるとリセットされる仕様を今後変えていくという。ターゲット排除後にグローバル難易度を変えた場合は、ターゲット排除済みとしてカウントされた状態でリプレイできる。だがターゲットを排除する前にグローバル難易度を変えると、対象ターゲットに関わる進行状況がリセットされる。安易にグローバル難易度を変えられないのは確かに不便であり、今後の仕様変更が待たれる。グローバル難易度に関連した別の問題として、グローバル難易度変更時にコントロールポイントがリセットされない(結果、リプレイできない)問題も今後修正されるという。

シーズン1報酬のひとつであるコヨーテマスク

そのほかにも、一部タレント効果が正しく発動しない不具合や、たどり着けない場所に懸賞金ターゲットがいる、ダークゾーン内でシーズンキャッシュを入手すると汚染状態になってしまう、ダークゾーン内でシーズンレベルが上昇しない、マンハントターゲットを倒したのにUI上の進行状況が更新されない問題などに取り組んでいることが明かされた。

難易度およびパーティー人数に応じたスケーリングの調整や、多岐にわたる不具合の修正が予定されている『ディビジョン2』。現在シーズン1が進行中であり、「ウォーロード オブ ニューヨーク」所有者であれば、シーズン1に限り追加課金なしでプレミアム報酬にアクセスできる。ゲーム内の「追加コンテンツ」タブより「シーズン1パス」を忘れず取得しておこう。

プレミアム報酬を受け取るには、手動でシーズン1パスを取得する必要があるので注意

Brand info for the update. havent seen an updated one yet
byu/SirPurplex inthedivision

*上は開発者ライブストリームでも紹介された、タイトルアップデート8後のギアセット効果一覧表

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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