『ゴーストリコン ブレイクポイント』装備レベルを撤廃可能な「ゴースト体験」3月24日実装へ。『ゴーストリコン』に求められる、戦略的でリアルな雰囲気を再現
Ubisoftは3月5日、『ゴーストリコン ブレイクポイント』のタイトルアップデート2.0.0を3月24日に配信することを発表した。同アップデートの目玉となるのは、ゲームの没入感を高め『ゴーストリコン』らしい体験を届ける「イマーシブ体験」ならびに、プレイヤーが遊び方を自由に決められる「ゴースト体験」の実装である。同作最大のアップデートでもあり、新しいストーリーコンテンツ(エピソード2)のほか、PvPコンテンツ、新クラスを追加。使用感の向上も適用される。
装備レベルとレア度を排除するイマーシブ体験
開発陣が「ゴースト体験(Ghost Experience)」と語る『ゴーストリコン ブレイクポイント』の新しい姿。アップデート配信後、プレイヤーは以下3種類のオプションから選んでゲームを遊べるようになる。
レギュラー体験:これまでどおりの『ゴーストリコン ブレイクポイント』としてプレイ。装備レベルとレア度の概念あり。
イマーシブ体験:装備レベルとレア度の概念を取り払った、全く新しいゲーム体験。新たなタクティカル設定を導入。
カスタム体験:さまざまな設定を自分の好みにカスタマイズして遊べる。
このようにプレイヤーの好みにあわせて設定・難易度を変えられるのが、ゴースト体験だ。プリセットから選択してもよいし、各種設定を調整して好みのゲーム体験を作り出してもよい。体験モードおよび各種設定は常時変更可能。カスタム体験での設定は、Co-op時のチームメイトには適用されず、自分にのみ適用される。各自別々の設定でも一緒のパーティーを組んで遊べる。
このゴースト体験は、プレイヤーからのフィードバックやコミュニティアンケートで指摘された問題点を解決する上で、実装が不可欠であるとの判断に至り、実装が決まったものだ。とくにイマーシブ体験に関しては、『ゴーストリコン』に求められる、戦略的でリアルな特殊部隊の雰囲気を再現するポテンシャルを秘めたモードであると説明されている。
各種設定をカスタマイズ
カスタム体験によりカスタマイズできる設定項目は以下のとおり:
- 装備レベルなし:アドベンチャー全体を通して同じ武器をカスタマイズ・保持します。レア度とアイテムレベルが無効になります。
- リアルなアイテム回収:敵の武器を回収し、武器を交換していくリアルな戦闘を体験できます。ギアはミッション、リワード、クレートから入手できます。
- メインウェポン所持数:メインウェポンの所持数を1と2から選択できます。TU 1.1.0でプレリリースされた設定ですが、今回の「ゴースト体験」で正式実装されます。
- リロード時の弾薬ロス:マガジンを替えると残弾が失われます。
- スタミナレベル:消費するスタミナを調整します。
- 包帯所持数:所持可能な包帯の数量を設定します。
- 負傷リスク:敵の弾丸に当たった際に負傷する頻度を設定します。
- 体力の自動回復:体力の自動回復を「なし」~「高速」の間で設定します。
- 新たなHUD設定:以下のHUD設定が新しく追加されました。
- ミニマップ最小化:マップを小型化し、表示される情報も減らします。
- 回収アイテム通知最小化:回収アイテム通知の表示を小型化します。
- 3D回収アイテム最小化:3D回収アイテムのドロップを小型化します。
- 非公開モード:エレホンではストーリーキャラクターとCO-OP中のチームメイトのみ遭遇するようになります。
- マリアの店へのアクセス:野営地でもマリアの店を利用できるようにするか、エレホンのみにするかを選択します。
ゲームプレイの面に限らず、ソーシャルハブの非公開化により「ゴースト部隊の生き残りは限られているはずなのに、なぜか大量のゴースト部隊がいる」という本作の物語と矛盾した状況を解消できる。なお「ゴースト体験」にはパーマデス設定は含まれておらず、キャラクターの死亡により進行状況がリセットされることはないとも補足された。
難易度は「敵」「タクティカル」で別々に設定
イマーシブ体験とレギュラー体験はどの難易度でもプレイ可能。難易度の設定項目は「敵」と「タクティカル」で分けられている。敵の項目では、敵の発見速度、敵の攻撃から受けるダメージ、敵の戦術を、イージー/ノーマル/アドバンス/エクストリームの中から選択する(デフォルト設定はノーマル)。タクティカルの項目では、メインウェポンのスロット数、包帯所持数、負傷リスクなど、リアリズムに影響する要素を設定。こちらはルーキー/スタンダード/ベテラン/エリートの4段階から選ぶことになる。レギュラー体験のデフォルト設定はスタンダード、イマーシブ体験のデフォルト設定はベテラン。
最高難度のエリートに設定した場合、以下の設定となる:
- メインウェポンのスロット数:1
- 包帯所持数:少量
- 負傷リスク:常時
- スタミナ消費:早い
- 体力の自動回復:なし
- リロード時の弾薬ロス:オン
装備レベルのオン/オフ設定
装備レベルを無効化した場合も、進行状況はセーブされるため、レギュラー体験/イマーシブ体験を切り替えながら遊んでも装備レベルがリセットされる心配はない。無効化した状態でも、ゲームの進捗およびワールド内でこなしたコンテンツによって引き続きレベルが追跡されるため、装備レベルを再度有効化した際には、相当する装備レベルから継続して遊べる。
装備レベルを無効化した場合、武器モデルによってダメージ、連射速度、射程距離などの特徴が変わる。自分のプレイスタイルにあわせて互換性のあるアタッチメントを装着して、武器をカスタマイズするのだ。また倒した敵は、その敵が使用していた武器カテゴリーに属する武器を落とすようになる。手持ちの武器と交換できるが、持ち運べる武器の数には制限あり。また設計図があれば、ビバーク/エレホンで特定の武器を装備できる。
なお装備レベルに関しては、以下のコンテンツのみ例外措置が取られる:
ゴーストウォー & タイタン計画
レイドおよびゴーストウォーでは、装備レベルが継続して使用されます。装備レベルのオン / オフを切り替えた際、現在の装備が複製されます。
タイタン計画:
タイタン計画は、装備レベルを有効化しているときのみ利用できます。また、レイドを利用中はいくつかのPvE設定が変更されます(「難易度 – 敵」、「難易度 – タクティカル」、「探索モード・ガイドモード」)。
ゴーストウォー:
ゴーストウォーに参加する際、装備レベルの設定が自動で有効化され、いくつかのPvE設定が変更されます(「難易度 – 敵」、「難易度 – タクティカル」、「探索モード・ガイドモード」)。
PvEを再開すると、設定はゴーストウォー参加前に選択していたものに戻ります。
エピソード2とエンジニアクラスの実装
ゲームの遊び方を抜本的に変えるゴースト体験(公式サイト)。この新機能以外にも、3月24日からはエピソード2「ディープ・ステート」のストーリーコンテンツの開幕や、新クラス「エンジニア」の追加など、新規コンテンツが多数登場(公式サイト)。エンジニアは、ドローンに与えるダメージや、所持可能な攻撃系アイテム数が増えるクラスであり、グレネードランチャーの威力向上効果も持ち合わせている。特殊アビリティの防御系ドローンは、付近の敵を攻撃。クラスツールの弾薬補給ドローンは、味方に予備弾倉を供給する。このエンジニアクラスは、イヤー1パス所有者向けに3月24日から1週間の先行アクセス期間が設けられる。
カメラ距離設定や一括売却/解体オプション
そのほかタイトルアップデート2.0.0では、プレイヤーからのフィードバックに基づき、多数の要望に対応。カメラ配置(カメラの距離を状況に応じて変更)、武器パーツの増加(低レアリティの武器パーツが不足しがちな問題を解消)、武器/ギアの並べ替えオプション、すべて売却/解体オプション、アイテム回収時のクイック装備、ウォーカーとヒルの外見スキン再登場、ベースジャンプスポットの追加およびベースジャンプの機能改善、乗り物操作性改善、リスポーンシステム改善、ガンスミスのアップデート(ほとんどのARにショートバレル装着可。27種の武器にTA31Hオプション追加)など、変更点は多岐に渡る。
オフラインモードやレイド2はキャンセル
ゲームの改善作業は今後も続き、AIチームメイトの追加については、今後数か月のうちにさらなる情報を発信するとのこと。拠点となるエレホンでのダッシュ機能に関しては、他の事項にリソースを割くため残念ながら断念された。またゲーム体験の向上を優先するため、2つ目のレイド開発もキャンセルに。かわりにゴースト体験の掘り下げに開発リソースが注がれる。
要望の多かったオフラインモードに関しては、許容範囲を超える技術的リスクを生むことなく実装するための解決方法を見出せなかったという。ただし、タイトルアップデート2.0.0にて、インターネット接続状況が悪くてもプレイヤーのストレスを一部軽減できるよう改善を果たすとのことだ(マッチメイクへの安定したアクセスを維持できないプレイヤーも、接続を失うことなくソロPvEを楽しめる)。
ローンチ後の批判を受けて、開発の優先順位が当初の予定から大幅に変わったことがうかがえる『ゴーストリコン ブレイクポイント』。今月には同じUbisoftの『ディビジョン2』がゲームシステムの大幅な刷新をおこなったばかりだが、『ゴーストリコン ブレイクポイント』もゴースト体験ならびに各種改善点により、新鮮な気持ちで遊べるようになりそうだ。