世界的ゲーム開発者イベントGDCが開催延期。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、数多くの企業が参加キャンセル
ゲーム開発者会議Game Developers Conference(GDC)を運営するInforma Techは2月28日、アメリカ・サンフランシスコにて来月に予定していた同イベントの開催を延期すると発表した。現時点では今年の夏の開催を検討しているという。
開催延期の理由について同社は、ゲーム開発業界のパートナーや、世界中のコミュニティと緊密に協議した結果であるとだけ説明しているが、新型コロナウイルス(COVID-19)の世界中での感染拡大が背景にあるのは間違いないだろう。
Important GDC 2020 Update https://t.co/EoReMGtZJJ
— GDC 2025 (@Official_GDC) February 29, 2020
アメリカ国内での感染者数は比較的少なく、米国疾病対策センター(CDC)もリスクはまだ低いと2月27日の議会の公聴会にて述べているが、一方で感染経路の不明な患者が確認され始めていることから、いずれ継続的な感染に発展する見通しも語っており、流行に備えた体制を整えるよう地域社会に求めている(NHK)。さらに、GDCが開催されるサンフランシスコ市も、感染への備えを強めるために非常事態宣言を出したところだ。GDCには世界中から業界関係者が集まるため、こうした危機感の高まりに対応したと思われる。
またこれまでには、GDCでの講演などを予定していた多くの会社が、新型コロナウイルスの影響を理由に参加見送りを表明していた。ソニーとFacebookに始まり、EAやKOJIMA PRODUCTIONS、マイクロソフト、Unity Technologies、Epic Games、Iron Galaxy、Amazon、Blizzard Entertainmentなどが、GDCへの参加をキャンセルすると相次いで発表。いずれも業界を代表する会社であり、これらの不参加はイベント自体の価値にも大きく影響する。また、今後さらに不参加の流れが広まっていく可能性があっただろう。GDCを取材する側としても、米メディアGame Informerが不参加を明らかにしている。こうした状況も、開催延期の判断を後押ししたかもしれない。
この夏に延期するGDCの開催について運営元Informa Techは、これからパートナーと協議を重ね、数週間後には開催計画についての詳細を発表するとのことだ。なお、カンファレンスなどのチケットの購入者には、メールにて返金方法などの案内を送付するそうだ。また、Game Developers Choice AwardsとIndependent Games Festivalについては予定どおり実施し、Twitchでの配信もおこなうとのことである。
⚠️BitSummit The 8th Bit – 新型コロナウイルス対策について
現時点におきまして、BitSummitとしては、政府、自治体、関係諸機関等から示される正確な情報の収集に努めるとともに、感染予防対策を強化し、BitSummit The 8th Bitを予定通り実施する方向で準備を進めております。
【1/8】— BitSummit Drift / ビットサミット ドリフト (@BitSummitJP) February 27, 2020
なお、日本国内のゲーム関連イベントでは、3月10日に予定されていたTokyo Indiesが中止されている。また、5月9〜10日に開催予定のBitSummit 8thについては、状況を注意深く観察しながら、現時点では予定どおり実施する方向で準備を進めているとのことだ。詳しくは、上のツイートから始まるスレッドを確認してほしい。