『Kerbal Space Program 2』開発スタジオが新たに誕生。もとの主要開発メンバーも引っ越し
パブリッシャーPrivate Divisionは2月21日、宇宙開発シム『Kerbal Space Program 2』の開発スタジオを新たに設立したことを発表した。新スタジオはワシントン州シアトルにあり、『Kerbal Space Program 2』の開発に専念する。また、『Kerbal Space Program 2』を開発していたデベロッパーStar Theoryの中心となるスタッフもシアトルの新スタジオに移籍したという。海外メディアPC Gamer、VentureBeatなどが報じている。
『Kerbal Space Program 2』は人気宇宙開発シミュレーション『Kerbal Space Program』の続編となるゲーム。『Kerbal Space Program』は「カーバル」とよばれる異星人のためにロケットを建造する。本格的な軌道力学と航空力学がシミュレートされた世界で、月やほかの惑星を探索するため宇宙開発をすすめる。1作目の『Kerbal Space Program』はメキシコのインディーデベロッパーSquadが開発し、350万本以上の売り上げを記録している。
『Kerbal Space Program』フランチャイズは2017年にTake-Two Interactiveに買収され、続編である『Kerbal Space Program 2』はTake-Two Interactive傘下のPrivate Divisionから2019年8月に発表された。『Kerbal Space Program 2』は1作目をベースにゲームデザインをいちから設計するという。次世代のエンジンやパーツが登場し、宇宙ステーションやコロニーも建造できる。恒星間航行の技術を開発することで、さらに遠い宇宙も探索できるとのことだ。発売時期は2020年以内とされていたが、その後延期されて2020年4月から2021年3月までの間(Take-Two Interactive の2021年会計年度)に発売される予定となった。
『Kerbal Space Program 2』の開発を進めてきたアメリカのインディーデベロッパーStar Theoryは、Uber Entertainmentが前身のスタジオとなっている。本作が2019年にUber EntertainmentがStar Theoryに改名してから初の作品になる予定だった。Uber Entertainmentは『Planetary Annihilation』『Monday Night Combat』やVRゲームなどのタイトルを開発した経験があり、そのときのメンバーも数名在籍している。チームは『Kerbal Space Program 2』のゲームエンジンであるUnityのゲーム開発者や宇宙産業に精通したスタッフで構成。1作目を開発したSquadは『Kerbal Space Program』のアップデートなどと並行して、一部はStar Theoryの開発のサポートを行っているとコミュニティフォーラムで報じられていた。
一方でシアトルの新スタジオに移動したStar Theoryのメンバーは、Star Theory代表Jeremy Ables氏、クリエイティブディレクターNate Simpson氏、リードプロデューサーNate Robinson氏といった主要メンバーが含まれている。Private Divisionの代表Michael Worosz氏は今回の新スタジオの設立に関して、「カーバルスペースプログラムを2017年に買収して以来、我々はコミュニティのために継続的に、高品質なコンテンツを作り出してきました。その結果としてフランチャイズへ参加する新規プレイヤーと、フランチャイズを次なるレベルへ押し上げる我々の展望の両方に力強い成長をもたらしました」と述べ、「KSPの開発にのみ専念するこのスタジオの設立は、『Kerbal Space Program 2』とそれ以降へむけて、ファンとプレイヤーに最高の体験を届ける約束を強化するものです」と強調した。
さらに海外メディアVGCにたいしてPrivate Divisionの広報担当者は、「自社のスタジオを立ち上げ開発を社内に移すという決定は、開発チームに必要な時間とリソースを提供し、そして我々がプレイヤーへ提供したいと考える品質レベルで開発を完了することを可能にします」と語った。もともと『Kerbal Space Program 2』を開発していたStar Theoryのほかのスタッフが新たなスタジオに移動したのか、またStar Theoryが今後『Kerbal Space Program 2』の開発に携わるのかなどは不明だ。新スタジオの設立によって開発が順調にいくことを願いたいところだ。